「ご飯皿、お水はいつも空っぽ」介護サポート受ける飼い主から猫を保護 サポーターが4年、猫のお世話も「生きててよかった」

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2025年04月21日 14:30  まいどなニュース

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介護サポートが必要な飼い主から保護された芽衣子ちゃん(「Reef Knot(リーフノット)」さん提供、Instagramよりキャプチャ撮影)

「芽衣子が幸せになりました…介護サポートが必要な飼い主様と暮らしていた芽衣子
サポーターの方が数日おきに、飼い主様の様子を伺いに通っていました」

【動画】猫さんに、新しい里親さんが決まるまで

昨年7月、障がいを持った飼い主さんから動物保護団体「Reef Knot(リーフノット)」(以下、リーフノット)の保護施設にお迎えしたという、猫の芽衣子ちゃん(雌・4歳)。今年春、里親さんが決まったことを、同団体代表の飛田俊さん(@syuntoby)がInstagramで報告しました。そんな芽衣子ちゃんのお世話をサポートしていたのは、飼い主さんの介護支援をしていたサポーターさんだったといいます。

猫のお世話ができない飼い主…4年以上、サポーターが支援した

「芽衣子のご飯皿、お水はいつも空っぽ。トイレはふん尿が溢れかえっている状況でした。
サポーター様は飼い主様に何度も説明しました。
『猫ちゃんは人と同じようにご飯やお水を飲まないと死んでしまうの』

ですが、飼い主様はそれができません。
可愛がることだけはできたのです。
芽衣子は人が大好きだったから。

サポーター様は飼い主様のお宅に通い、長きにわたり飼い主様と芽衣子のお世話をしていました」

芽衣子ちゃんの避妊手術のため病院に連れて行ったのも、サポーターさん。飼い主さんのもとには4年以上通っていたとのこと。飼い主さんの家族も障がいを持っており、お世話をしていたそう。しかし、昨年7月、飼い主さんのグループホームの入居が決まり、リーフノットに保護の相談が入ったのです。先に家族もグループホームに入居…そこで、ひとりぼっちになってしまう芽衣子ちゃんをリーフノットの保護施設にお迎えすることになりました。

飼い主がグループホームへ、猫とお別れのとき

「お迎え当日、ご自宅の団地5階にご家族も外出届を出し、サポーター様と飼い主様と一緒におられました。芽衣子をキャリーに入れ団地1階まで降りると、もうご家族は誰もおらず、サポーター様が『なんで見送りも来ないの!』とまた5階まで戻りましたが、最後まで見送りには来られませんでした。芽衣子はというと、移動の車内でも施設でも特に不安で鳴くということはありませんでした。ですが、サポーター様いわく、『本当にかわいがっていたので、飼い主さんは、今晩は悲しくて大泣きすると思います』とおっしゃられていたのが複雑な気持ちにさせられました」

こうして飼い主さんのもとから保護された芽衣子ちゃん。今年4月、新しい家族である里親さんが見つかりました。もともと里親さんのお母さんがリーフノットの施設からモモちゃんという20歳の猫ちゃんをお迎えしたことから、娘さんである里親さんとも懇意にしていたことがきっかけでした。現在、芽衣子ちゃんはメメちゃんと呼ばれ、里親さんの“家族の子”として幸せに暮らしているそうです。

代表「障がい者健常者関係なしに、お世話できないなら飼うべきじゃない」

介護支援が必要な人が飼い主になるという、芽衣子ちゃんのようなケース。今回保護に携わったリーフノット代表の飛田さんは次のように訴えます。

「障がい者健常者関係なしに、お世話できないなら飼うべきじゃないと思います。せめてご家族の方が主としてお世話ができる状態じゃないと…ですが、障がいをお持ちの方でも自分でお世話できる方もいらっしゃいますし、自閉症の方は動物と暮らすことが科学的に良いとされているとも聞きます。ただ言いたいのはひとつだけ、『命』と暮らすということ。動物は物ではありません、生きています。感情があります。

芽衣子のケースは、たまたまサポーター様がお世話してくれていて助かっただけかもしれません。水もご飯も空っぽなら死にます。サポーター様がいなかったら、芽衣子はひょっとするともうこの世にいなかったかもしれません…里親様のご自宅でずっと里親様の後をついていく芽衣子を見て、小腹が空いたらポリポリご飯を食べる姿を見て、本当に『生きててよかった』と心の中でつぶやきました」

 ◇  ◇

「Reef Knot(リーフノット)」さんは、現在新シェルター物件購入のためクラウドファンディング(READYFOR)に挑戦しています。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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