限定公開( 1 )
大阪・関西万博は、まさにカオスだ。
ミャクミャクの像の近くに等身大ガンダム像があり、ミャクミャクとガンダムのツーショットが撮れる。
すぐそばの舞台では、色とりどりの衣装をまとった海外のダンサーが、現地のダンスを披露している。
海外パビリオンの展示には、よく分からないものも多い。筆者は会場を回りながら「なんだこりゃ」「謎」と何度も声が出た。
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万博は、日本の文化と海外の生の文化が、キュッと1カ所に詰まっている。ごちゃ混ぜのカオスが、割り切れない世界そのものが、そこにあった。
●謎の踊りに謎展示 「わけわからない」が面白い
筆者は4月17日の朝に会場に入り、予約不要な海外パビリオンや、各国が集合した「コモンズ」などを訪れた。
海外パビリオンは、特定のテーマに沿った分かりやすいパビリオンもあったが、よく分からないパビリオンも多かった。
分かりやすい例は、ロシアとの戦争で失ったものなどを説明するウクライナの「NOT FOR SALE」や、日本の輪島塗で作った大きな地球儀を展示する「夜の地球」など。筆者は入れなかったが、Xで話題になっているイタリア館の彫刻や美術品も“分かりやすい”展示だろう。
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最もよく分からなかったのは、ブラジルのパビリオンだ。入り口には「我々の存在の真意とは。」と書かれ、中では、空気でふくらんだ白いオブジェが大量にウヨウヨ動いている。足元には「空気」「AIR」の文字。奥で太陽のような赤くて丸い光が点いたり消えたりする。
ブラジルは、広いパビリオンをほぼこの展示だけで完結させている。一周してみたが、筆者の感想は、「分からない」以外にない。来館記念にもらえるマントはとてもブラジルらしいデザインで分かりやすかったのだが。
このパビリオンをXで解説していた人によると、「アマゾンのジャングルが、空気(酸素)を供給している」ことを示しているらしい。そういうことなの?
トルコのパビリオンも謎だった。設置されたタブレットを操作すると、スクリーンに映った青い顔が動き、トルコの文物を音声で教えてくれる。この顔が大きすぎ、青く光って怖い。なぜこの顔なのか、分からない。
インドパビリオンは17日時点で未完成。入り口付近に「バーラト」と書かれていた。インドが最近、国名を「バーラト」と改名したためらしいが、インドはインドだと思っていた筆者は一瞬、どこのパビリオンか分からなかった。万博の公式地図にも、バーラトではなく「インド」と書かれている。
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ポーランドパビリオン前では「STICKS USERS GUIDE」(棒の使い方)と題した、ダンスか寸劇のようなものが展開されていた。面白かったが、よく分からなかった。
よくわからない展示や建物、踊り……万博の海外パビリオンでびっくりする体験は、海外旅行にも似ている。現地の人がエッセンスを日本に直輸入し、演じてくれる本物の異文化。よく分からなくて当然だ。
現地から来てくれているスタッフは、日本語を話せなかったり、解説が英語のみのパビリオンもあった。日本語より英語が通じやすいという点でも、海外旅行のようだった。
●正解のないディズニーランド
筆者が訪れた4月17日は平日で、来場者は中高年の女性や社会見学とおぼしき学生たち、外国人が多かった。若いカップルや子連れもいた。
来場していた全員が、ニコニコ楽しそうだったことが何より印象に残った。誰もが「絶対に楽しもう!」と意気込んでいる、ディズニーランドやテーマパークのような雰囲気だ。
筆者が訪れたのは開幕から4日目だったので情報があまり整理されておらず、会場で「楽しみ方が分からない」と話しているカップルも見かけた。でも「何があるか分からないけど楽しもう」という姿勢で歩いていたら、必ず「おもしろ!」に出合える。
会場は、海風が吹く広々した場。大屋根リングに上って歩くだけでも気持ちいい。リングの上から海外の建物を見たり、リングの下でヒノキの香りをかぎながら、ベンチで休憩するのもいい。
Xでは「このパビリオンがいいから絶対行くべき!」などの情報も回っている。だが、実際のパビリオンは多種多様で、人によって好き嫌いが大きく違うと思う。
「こう回るのが正解」といった答えはない。「このパビリオンは必見」といった情報は参考程度に、自分なりの「面白い!」を自由に探し、自分だけのベストスポットを見つけるといいだろう。
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