フローラSに出走予定のエストゥペンダ(ユーザー提供:Spice Upさん) オークストライアルのフローラS (GII)。東京競馬場の芝2000mを舞台に、3歳牝馬たちが樫の女王決定戦への優先出走権(上位2頭)を賭けて争う重要な一戦だ。長い直線での瞬発力に加え、2000mをこなすスタミナも問われる。過去にはここをステップにオークスで好走する馬も多く、今年も素質馬が集結した。
1.前走GIII組の信頼度と妙味を考察
過去10年のデータを分析すると、前走でGIIIを使われた馬が[3-4-5-28]と、出走数も多いが馬券になった数も最多。複勝率は30.0%に達し、これは1勝クラス組の15.7%や未勝利組の11.8%を大きく上回る数値だ。さらに注目すべきは回収率で、単勝回収率105%、複勝回収率113%と、いずれも100%を超えており、馬券的な妙味も十分。重賞で揉まれてきた経験が、この舞台で生きる傾向が強いと言える。賞金的にオークス出走が微妙な馬も多く、ここへの勝負度合いが高い点も好成績につながっている可能性がある。
2.前走着順で見える馬券的価値、惜敗組に妙味あり
前走の着順別成績を見ると、前走1着馬は[6-3-2-50]で勝ち星こそ最多だが、複勝率は18.0%、複勝回収率は66と、人気を集めやすい割には信頼度が低い。むしろ注目したいのは前走で惜敗した組だ。前走2着馬は[1-1-2-14]で複勝率22.2%、複勝回収率95%。前走3着馬は[0-1-3-10]で勝ち星こそないものの、複勝率は28.6%と前走1着馬を上回る。
3.距離延長ローテーション組が優勢か
前走からの距離変化を見ると、今回距離延長となる馬が過去10年で[7-8-8-91]で、複勝率20.2%と最も安定している。これに対し、同距離組は[2-2-2-36]で複勝率14.3%、距離短縮組は[1-0-0-8]で複勝率11.1%と、やや見劣りする。開幕週でスピードが求められるので、スタミナだけでは押し切れないということだろう。マイルや1800mからの距離延長で臨む馬が中心勢力となる。
エストゥペンダは、前走クイーンC(GIII)で3着と好走。データ的に信頼度の高い前走GIII組であり、かつ妙味のある前走3着馬に該当する。今回は距離延長となるが、このレースは今回が距離延長の馬が強い。フェアリーS(GIII) でも3着に入っており、重賞で崩れない安定感は魅力。東京コースも勝ち星があり、末脚を生かす競馬で勝ち負けまで期待できる。