タイから移送され、羽田空港に到着した石川翔紀容疑者=23日午後、東京都大田区 ミャンマーを拠点とした特殊詐欺に関与したとして、愛知県警は23日、詐欺容疑で、いずれも住所不詳で無職の石川翔紀(32)、谷地智成(22)両容疑者を逮捕した。電話役の「かけ子」とみられる。隣国タイで拘束されていたが同日、身柄を日本に移送された。県警は組織の実態解明を目指す。
逮捕容疑は1月14日、他と共謀し、愛知県警の警察官を装い、米オレゴン州に出張していた三重県在住の40代男性の携帯電話に「口座が犯罪に利用されている」などと電話。現金990万円を振り込ませて詐取した疑い。
組織犯罪特別捜査課によると、両容疑者は昨年12月にミャンマーへ渡航。タイとの国境近くにある拠点から日本人を対象にうその電話をかけていたが、タイに出国したところ3月11日に不法滞在容疑で拘束された。
拠点は中国系の組織が運営していたとされ、日本人を含む多数の外国人がノルマを課されて加担させられていた。2月には愛知県在住の少年(16)がタイ当局に保護され、県警が帰国後に渡航経緯など事情を聴いていた。

タイから移送され、羽田空港に到着した谷地智成容疑者=23日午後、東京都大田区