高専発スタートアップ育成へ=デジタル人材の活用策も議論―新資本主義会議

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2025年04月23日 19:02  時事通信社

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時事通信社

新しい資本主義実現会議に臨む石破茂首相(左端)ら=23日午後、首相官邸
 政府は23日、新しい資本主義実現会議(議長・石破茂首相)を首相官邸で開き、日本経済の成長の原動力となるスタートアップ(新興企業)を幅広く育成するため、高等専門学校発の起業を支援する方針を示した。東京に集中するスタートアップの起業を地方にも広げ、地域活性化につなげるのが狙い。人手不足が深刻な介護現場などで、デジタル技術といった高付加価値の技能を持つ人材の活用も打ち出した。

 首相は席上、「高専における起業家教育の充実や、スタートアップの創出・成長を強力に支援し、後押しする」と強調した。政府は同日、大阪大学や九州大学など各大学と地元産業の産学連携による全国10カ所のイノベーション(技術革新)拠点への支援も決定した。

 日本のスタートアップは7割近くが東京に立地するが、近年は高専発の企業も登場している。全国に58校ある高専には、地域の課題解決や地方経済活性化への貢献が期待されている。政府は、外部の専門家による講義や、地域の中小企業と連携した教育を高専で行うことなどを通じ、起業につながる環境づくりを目指す。

 また、社会機能の維持に不可欠な介護や物流などの業界の人手不足を補うため、今後は生成AI(人工知能)による業務の自動化や人からの代替が進むとも指摘。リスキリング(学び直し)を推進することで、デジタル技術などを活用して高い賃金を得る「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」を育成すべきだと掲げた。 
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