遺伝は余り関係しない!?“老化”を大きく加速させてしまう生活習慣を医師が解説

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2025年04月23日 20:00  クックパッドニュース

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誰もがより長く健康的な生活を送っていきたいと思っているもの。そのためには、少しでも老化を防ぐような行動を普段から取っていくことが大切です。そこで、老化を加速させてしまうNG習慣について、YouTubeチャンネルの登録者数が48万人を誇る、医師でヘルスコーチの石黒成治先生に教えてもらいました。

生活習慣や環境要因で老化は進んでいく

“老化”についての過去の研究では、遺伝的要素、精神的要素、環境的要素、さらに食事、運動といった生活習慣など、さまざまな要素が絡み合って寿命に影響を与えると言われてきました。

それらをより深く詳しくチェックするため、50万人のデータを医療解析して、164種類の生活習慣と環境要因を選び出した研究があります。

生物学的年齢を推定する“老化時計”という独自の要素を使って老化の進むスピードをチェックしていき、それと同時に死亡率と一致するものをピックアップしていきました。

老化に対しての重要なエクスポージャー(影響を与える要因)である、喫煙や食事、運動、社会経済的状況などの要素を特定していったところ、25の生活習慣および環境要因が老化に関連していることがわかりました。

“老化”に影響を与える意外な要素とは……

例えば意外なものでいうと、チーズの消費量が多いほど老化が進みにくい。ほかにも、日焼けのしやすさ、教育年数、雇用状況、民族性、疲労度を感じる頻度、ジムの利用、経済的困難を経験しているか、世帯収入、身体活動、睡眠時間、喫煙状況、住宅の種類、それから暖房に直火を使用するかというのも要素に入っていました。

10歳のときの身長と体重も入っていて、10歳のときに太っていたとか、身長が高かった場合は寿命を短くする方向に働くとも出ていました。

最終的には、喫煙、収入、教育、職業、社会経済的地位、身体活動、住居、住んでいる地域の生活環境が、死亡率や生物学的老化に大きな影響を与えるということが発見されました。

喫煙だけでも21の疾患に関連していますし、社会経済的要因や疲労感は19の疾患に関連していて、1つの要素がさまざまな疾患に関連しているといった状態なのです。

“環境要因”が寿命に大きく影響を与える

注目すべき点は、環境要因がいかに健康に大きな影響を与えるかということ。死亡リスクの内の17%が環境要因で、対して遺伝的要素はわずか2%未満でした。

つまり、遺伝よりも日々の生活や周りの環境が寿命に大きく影響を与えるのは間違いないということです。

さらに、環境要因は心臓や肺、肝臓の病気にも大きな影響を与えますし、一方で認知症や乳がんは環境よりも遺伝的要素のリスクが大きいです。

なので、認知症や乳がんに関しては、遺伝リスクの高い人はより生活習慣に気をつけなければいけないということです。

結局、健康改善のためには、生活習慣や環境を変えることが非常に重要であると改めて示されました。

喫煙や社会経済的状況、運動不足や環境など、変えられる要素はどんどん見直す必要がありますし、それらを変えることによって健康寿命を伸ばしていくことが重要になってくるでしょう。

(TEXT:山田周平)

▼動画でもっと詳しく知る

画像提供:Adobe Stock

石黒成治先生


消化器外科医、ヘルスコーチ。
1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸癌外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。Dr Ishiguro YouTubeチャンネル登録者数は48万人超(2025年1月時点)。

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