フィギュアスケート男子で3月の世界選手権銅メダルの鍵山優真(21=オリエンタルバイオ/中京大)が“地方競技会行脚”から五輪金メダルを狙う。23日、都内で開かれた日本スケート連盟の表彰式で優秀選手賞を受賞。26年ミラノ・コルティナ五輪シーズンも男子4人の特別強化選手に選出された。勝負の来季は夏場から地方競技会2試合程度に出場予定。高難度のジャンプ構成を早期に演技へとなじませ、悔しさ募る今季からの巻き返しを図る。
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1年の功績をたたえられる祝賀会でも、鍵山の視線は五輪シーズンへと向いた。「今年は『もっと頑張らなきゃな』と思える表彰。悔しい気持ちが、たくさんありました」。昨季限りで宇野昌磨さんが競技者から引退。今季は日本のエースと位置付けられたが、世界選手権はフリー10位と失速した。振り返れば本来の力を出せない大会が続いた。
勝負の来季へ、足を止めない。世界選手権後に父の正和コーチらと強化計画を作成。今季は9月中旬のロンバルディア杯(イタリア)が初戦だったが「夏のローカルに出ようと考えている」とした。モデルは昨季の23〜24年シーズン。8月に京都で開かれた木下トロフィー争奪大会が初戦だった。ジャッジが国際スケート連盟(ISU)公認大会などでは9人のところ、5人程度でも珍しくない地方競技会。愛知拠点の全日本王者には「そこでいろいろなことに挑戦したい」と仕上げを早める狙いがある。
直近の世界国別対抗戦ではショートプログラム(SP)に高難度4回転フリップを投入。来季はフリーへ、さらに基礎点が高い4回転ルッツを本格投入する意向だ。世界選手権2連覇中で頭一つ抜けるマリニン(米国)を追うために、高難度かつ完成度の高い演技は必須。10月開幕のグランプリ(GP)シリーズも「(階段を)上っていくのではなく、しっかりといい状態を作りたい」と見据えた。
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あくまでも夢は五輪金メダル。過去の実績は度外視で「五輪金メダルを最終的な目標にしたいけど、1試合1試合が五輪の選考につながる。どれだけ練習していても、本番でできなきゃ意味がない。過程を信じて突き進みたい」と誓った。腹はくくった。【松本航】
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