途上国は貿易拡大を=日本に対アフリカ技術移転促す―世銀幹部

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2025年04月23日 21:01  時事通信社

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時事通信社

インタビューに応じる世界銀行のアナ・ビアルディ専務理事=21日、ワシントン
 【ワシントン時事】世界銀行のアナ・ビアルディ専務理事は、トランプ米政権の高関税政策で世界的に「貿易戦争」激化が懸念される中、途上国に貿易機会の拡大を模索するよう求めた。日本に対しては、8月に横浜市で開催されるアフリカ開発会議(TICAD)も好機と捉え、アフリカへの技術移転を促した。22日までに時事通信のインタビューに応じた。

 ビアルディ氏は「先行き不透明感は経済に悪影響をもたらす」と警戒。一方、過去20年で国際貿易における途上国の割合が全体の5分の1から5分の2に倍増したと述べ、こうした貿易規模の拡大こそ「地域内や2国間での貿易を進めるチャンスを生み出している」との見方を示した。

 トランプ関税をきっかけに、世界的に貿易摩擦の高まりが不安視される。ビアルディ氏は各国に「開かれた経済を保つ」よう助言。「関税と非関税の貿易障壁は世界中で非常に高い」と語り、各国に障壁を見直すよう提案した。

 トランプ政権は、世界最大の対外援助機関である米国際開発局(USAID)の「解体」を進めている。ビアルディ氏は「(先進国の)政府開発援助(ODA)は全般的に減っている」と指摘。途上国開発での民間資本導入について「われわれはもっと努力する必要がある」と話した。

 その上で、TICADに絡み、今後も人口が増加するアフリカに「日本は投資を続けるべきだ」と主張。ODA予算が限られる中、「日本はアフリカと共有できる知識や経験が豊富だ」と述べ、技術移転を通じて「日本企業は開発に参加し、チャンスを得る可能性がある」と訴えた。 
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