中国に返還されることになったアドベンチャーワールドで飼育されている4頭のジャイアントパンダ。左上から時計回りに「良浜(ラウヒン)」、「結浜(ユイヒン)」、「彩浜(サイヒン)」、「楓浜(フウヒン)」(アドベンチャーワールド提供) 和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」は24日、飼育しているジャイアントパンダ全4頭が、6月末ごろに中国に返還されると発表した。
同施設は、中国側との契約期間が8月で満了となり、双方の協議の結果、「パンダに負担のないよう比較的涼しい6月に帰国することになった」としている。新たなパンダが来るかどうかは明らかにしていない。
全て返還され、新たなパンダが来なければ、国内で飼育されるジャイアントパンダは上野動物園(東京都台東区)の2頭のみとなる。
4頭は「良浜(ラウヒン)」(雌、24歳)、「結浜(ユイヒン)」(雌、8歳)、「彩浜(サイヒン)」(雌、6歳)、「楓浜(フウヒン)」(雌、4歳)。
同施設によると、「良浜」は高齢期に差し掛かり、「施設や医療体制が整う中国で過ごすことが望ましい」と中国側の専門家から指摘を受けた。他の3頭は将来の繁殖を目指し、パートナーを探すため帰国する。いずれも四川省にある成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地で暮らすという。
「良浜」は2000年9月、同施設で初めて誕生したジャイアントパンダ。他の3頭も同施設で生まれた。
国内で飼育されるパンダは全て繁殖研究目的で中国側から「貸与」されている。所有権は、国内で生まれたパンダも含めて中国にある。
同施設は、施設でのジャイアントパンダ保護共同プロジェクトが昨年9月で30年を迎えたと指摘した上で、「私たちはプロジェクトの継続を強く願っており、中国側と協議を続けていく」としている。

中国に返還されることになった、和歌山県のアドベンチャーワールドで飼育されているジャイアントパンダの「良浜(ラウヒン)」(アドベンチャーワールド提供)