国際協調の訴え相次ぐ=G20財務相会議が閉幕―トランプ関税を議論
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2025年04月24日 20:02 時事通信社

【ワシントン時事】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は24日、米ワシントンで2日間の日程を終え閉幕した。トランプ米政権が発動した高関税政策により世界経済の不確実性が高まる中、国際協調の重要性を訴える声が相次いだ。2月に南アフリカ・ケープタウンで開かれた前回会合に続き、共同声明は出さなかった。
会議では、途上国の債務問題やアフリカの成長に向けた課題などが議題となった。また、加藤勝信財務相はベセント米財務長官と個別に会談し、米側が懸念を強める為替問題などについて協議する方針。
会議に参加した国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は「主要国間での貿易政策に関する合意が不可欠だ。不確実性は損害が大きい」と訴えた。
トランプ大統領は割安な輸入品の流入が製造業の衰退を招いたと主張し、貿易赤字縮小を掲げて高関税政策を推進。影響は甚大で、世界経済の減速は避けられない。ただ、直近では中国との交渉で「強硬姿勢は取らないだろう」とも発言している。
財務相同行筋によると、会議の参加国からは、先行きの不確実性に対する懸念を背景に、G20を中心とした協力体制の重要性を訴える声が多く聞かれた。また、貿易赤字の根底には各国間の経済的な不均衡があり、その是正こそが真の課題との指摘もあったという。
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