「社会を変えたい」 性暴力被害の元女性記者、判決後に訴え

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2025年04月24日 21:06  毎日新聞

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毎日新聞

前埼玉県知事の公設秘書による性暴力訴訟の判決を受け、勝訴などと書かれた旗を掲げる支援者ら=東京都千代田区で2025年4月24日午後1時39分、西夏生撮影

 「主張が認められてほっとした。被害者が勇気をもって声をあげようとしても、それをためらわせる社会を変えたい」。上田清司参院議員の公設秘書=2020年に死亡=からの性暴力を認めて国に賠償を命じた24日の東京地裁判決を受けて、記者だった女性は報道機関にコメントを寄せた。


 性暴力を受けてから5年がたつが、今も自分の意思とは無関係に涙が止まらず眠れなくなる日もある。報道現場では「これくらいは我慢しなきゃ」「性的な発言は聞き流そう」と、うまく立ち振る舞うことが求められてきたとし、被害後は何度も自分を責めたという。


 悩んだ末に相談した人から「権力を利用した悪質な犯罪だ」と言われ、ようやく被害届を出すことができた。女性は社会から性暴力をなくすため、多くの人に「自分ごと」と理解してもらいたいとし、「私も裁判に力を得て前に進みたい」とコメントを結んだ。


 判決後の記者会見で女性の代理人の中野麻美弁護士は「公設秘書の職務が何か定まっていない中で、判決は権限を実態から評価し、国の責任をきちんと判断した」と評価した。【安元久美子、鷲頭彰子】



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