
「病気で長生きできないかもしれないと言われたけれど、3月に無事、お誕生日を迎えられました」
【写真】幼少期はやんちゃボーイ!…進入禁止の柵を飛び越えて飼い主さんを驚かせたことも
そう嬉しさをにじませるのは、ソラくん(アメリカンショートヘア)の飼い主mokaさん(@Moka0527Ramu)。ソラくんは、ペットロスで苦しんでいた飼い主さんを救ってくれた子。
しかし、お迎えから4カ月で急性腎不全となり、生死の境を彷徨いました。
13歳の愛猫たちを亡くしてペットロスに…
当時、飼い主さんは13歳になる2匹のアメリカンショートヘアを立て続けに亡くし、ペットロスに苦しんでいました。
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そんな姿に胸を痛めた旦那さんは、ソラくんとの出会いをプレゼント。ソラくんは、ブリーダー宅で生まれた子です。飼い主さん宅には、2022年5月15日にやってきました。
「電話で予約して、迎えました。初めて対面したのは、連絡から1カ月後。抱いた時、涙が出ました」
生後2カ月だったソラくんは、やんちゃボーイ。
部屋に設置していた進入禁止用の柵を飛び越えるなどの活発な姿に飼い主さんは驚きと笑顔を貰い、ペットロスの傷が少しずつ癒えていきました。
生後6カ月で「腎盂腎炎」になって穏やかな暮らしが一変
ところが、お迎えから4カ月ほど経った頃、ソラくんの体に異変が…。腎臓と尿管を繋ぐ「腎盂(じんう)」という部分とその周りに炎症が起こる「腎盂腎炎」になり、その後、急性腎不全になりました。
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ソラくんは治療のため、2週間入院。生死の境をさまよいました
なんとか助かってほしい。そんな飼い主さんの祈りが通じ、その後、ソラくんは快方へ向かいましたが、急性腎不全になったことで腎臓の半分の機能が奪われてしまい、慢性腎不全に。飼い主さんは毎日の投薬や定期的な通院をし、ソラくんの健康をサポートすることになりました。
しかし、1歳11カ月の頃、またもや苦しい出来事が…。ソラくんが「小肝症」であることが分かったのです。小肝症とは、肝臓に流入する血液量(栄養)が減少することにより、肝臓が育たない状態のこと。
「肝臓が小さいと、様々な病気になった場合に助けることが難しく、亡くなることもあると言われました」
初めて聞く病名に不安が募り、飼い主さんは大きな病院も受診したそう。しかし、リスクのある麻酔をかけることや度重なる検査が苦しくなり、「小肝症はソラの個性」と受け入れることにしました。
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「今は、定期健診で肝臓の数値を確認しています。慢性腎不全のほうは、1カ月ごとに通院して血液検査を受けています。朝晩に薬を与え、食事は腎臓病用フードをあげているんです」
現在、ソラくんは多尿ではあるものの、病状は安定しているそう。ただし、風邪や腸炎などにかかると症状が重くなり、食欲不振や下痢の時には元気がなくなってしまうため、飼い主さんは体調を崩させないよう、細やかなケアを行っています。
「ご飯は毎回、計測。あまりにも私がキッチリと神経質にソラの健康管理をするので、夫は呆れています(笑)」
お転婆な妹猫に“兄貴風”を吹かせることも
おうちでのソラくんは、ご飯を運ぶ飼い主さんを先導する食いしん坊さん。家族に甘えることも大好きです。
同居猫ハナ子ちゃんとは飼い主さんを奪い合うライバルですが、お兄ちゃん風を吹かせることもあります。
「私がハナ子と一緒に寝ていると、ハナ子をどかしにくることがあります。ただ、ソラは優しいので、ハナ子に場所やおもちゃを譲ってあげることもあるんです」
天真爛漫なハナ子ちゃんはソラくんが3歳になった誕生日、飼い主さんお手製の“段ボール製のネコバス”を自分へのプレゼントだと勘違いし、喜んで遊んだそう。
心優しいソラくんは、そんな無邪気さも温かく見守ってくれました。
「通院が絶えなくなりましたが、ソラはドライブを楽しんでくれて病院でもいい子。私にとって、ソラとハナ子は我が子のような存在。ペットロスになった心を癒し、助けてくれた大切な家族です」
ソラくんが元気に楽しく過ごせるよう、専用の部屋も用意したという飼い主さん。ソラくんが4歳の誕生日も元気で迎えられることを、心から祈ります。
(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)