
さくらさんのプロフィール

・職業:公務員
・資産:約9000万円(そのうち半分がリスク資産)
手取りが増えても、生活水準は変えない
――現在、資産が1億円近くとなっていますが、どのように資産を築かれたのでしょうか。さくらさん:大学を卒業して、民間の教育関係の仕事に就きました。22時、23時まで働くのが当たり前で、残業代もほとんど出ない、いわゆるブラックな職場でした。バブル期にもかかわらず手取りは10万円くらいでしたね……。それでも、「仕事とはこういうもの」と思い込んでいたように思います。
でも、一流企業に就職した友人たちが充実した日々を送っている様子を見て「何かが違う」と感じるようになり、4年経った頃に退職を決意しました。
当時は実家で暮らしていたのですが、親が「家にお金を入れず、自分のために貯金しなさい」と言ってくれたおかげで、薄給ながら100万円以上の貯金ができました。その後、短期の留学を決意し、帰国後、公務員試験に挑戦して無事に合格。
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とはいえ、生活レベルはあまり上げず、無駄遣いは控えていましたね。その一方で、語学を学ぶために、年に数回の海外旅行や短期留学など、自己投資にはお金を使っていました。
外資系バンカーとの出会いで投資に目覚める
――資産の半分はリスク資産ですが、さくらさんはどんなきっかけで投資を始めたのですか?さくらさん:当時、頻繁に海外に行っていたことから、現地でお金が引き出せるようにしたいなと思い、ある外資系銀行に口座を開設しました。その時、相談した銀行の担当者に「これだけお金があるのに、口座に眠らせておくのはもったいないですよ」と言われたのです。私が公務員だったので「こりゃいいお客だ」と思ったのかもしれませんが……(笑)。
初めは「投資=ギャンブル」と思っていたし、親も「株など、投資はすべてギャンブルだ」と言っていたため、不安はありました。しかし、その担当者が「リターンは小さいが、リスクも低い商品(投資信託)から始めましょう」と丁寧に説明してくれてね。実際に始めてみると、想像以上に資産が増えていきました。
絶好調だった矢先、大きな痛手を負う羽目に
――資産が順調に増えていく中、苦い思いをした経験はありますか?さくらさん:投資信託で成果を実感していた矢先、リーマン・ショックで資産が半減しました。その時は本当に不安になりましたね……。
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一方で、別の銀行の担当者は「すぐに売却してください。新商品を用意しますから」と言って、頻繁に商品の乗り換えをすすめてきました。後で専門家の方に聞いてみたら、どうやら手数料稼ぎだったということが分かったのです。「やられた……」と思いましたね(笑)。
この経験から、銀行の良し悪しではなく、担当者の良し悪しが重要だと実感しました。あと、やっぱり自分でもきちんと調べないといけないなと思いましたね。今は「信頼できる相手」とだけ付き合い、自分の判断軸をしっかり持つことで、大きな損はしなくなりました。
――信頼できる担当者かを見分ける方法はありますか?
さくらさん:こればかりは、付き合ってみないと分からないですね。ただ、いろいろな商品をすすめてくる人は、正直ちょっと怖さを感じます。しつこくならない程度に「今はこういう状況です」と丁寧に説明してくれて、その上で「この状況なので、売ってもいいかもしれませんね」くらいの提案なら納得できます。
でも、「ぜひ売りましょう」と強引にすすめてきて、「次はこれ、次はこれ」と短いスパンで商品を紹介してくるような人は、私は絶対に信用できないと思っています。
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自分のためだけにお金を使っていてはダメ
――さくらさんが投資をする上で、大事にしている考え方や鉄則などはありますか?さくらさん:個別株投資を始めた頃、東日本大震災が起きて、すごい経験をしたことがあります。その時、持っていた建設(建築)関連の株が急騰してね……。「えー!何これ!」と思うほど、どんどん株価が上がっていき……。すごい利益が出たのです。
一方で、「苦しんでいる人が大勢いる時に、喜んでいいのか」と複雑な気持ちにもなりました。それで、思い切って儲けたお金の一部を寄付することにしたのです。そうしたらその後、保有している投資信託がすごくプラスになったり、職場でたった1枚もらった宝くじで1万円が当たったり、お米が当たったりと不思議と良いことが重なってね……。
昔、親が“お金は天下の回りものだ”と教えてくれたのですが、この時に実感しましたね。「お金は人のために使えば、巡り巡って返ってくる」ということを。
以来、今でもちょっとした寄付を続けています。例えば、動物が好きなので、動物保護団体(WWF)などに寄付したり、ユニセフの葉書を何万円分か買って、誰かにプレゼントしたりしていますね。
※記事の内容は、公式YouTubeチャンネル『All About マネー』内の番組から、一部内容を抜粋・編集したものになります
(文:All About 編集部)