ドルトムントを率いているコヴァチ監督 [写真]=Getty Images ドルトムントが、ニコ・コヴァチ監督の来季続投に向けて動いている模様だ。24日(現地時間)、ドイツ紙『ビルト』
が伝えている。
現役時代にヘルタ・ベルリンやバイエルンといったクラブのほか、クロアチア代表でも活躍したコヴァチ監督は、2009年から指導者としてのキャリアをスタート。クロアチア代表やフランクフルト、バイエルンなどで指揮官を務めると、今年2月に解任されたヌリ・シャヒン監督の後任としてドルトムントの監督に途中就任した。しかし、リーグ戦で低空飛行を続けたこともあり、ドルトムントと締結した2026年6月30日までの契約期間を満了せずに今夏にも解任される可能性が噂されていた。
だが、ここにきてコヴァチ監督を取り巻く状況は変わりつつあるようだ。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)ではバルセロナに2戦合計3−5で敗れたが、第2戦では今季絶好調の相手に3−1で勝利。ノックアウトフェーズ準々決勝敗退が決まったものの、反発力を示してみせた。また、リーグ戦でも現在4戦負けなし(3勝1分)と復調傾向にあり、12日(現地時間)に行われた第29節ではバイエルンとのアウェイ戦を2−2のドローに持ち込んでいる。順位も7位まで回復し、来季CL出場権を確保できる4位・ライプツィヒとの勝ち点差は「4」と逆転も十分に可能だ。『ビルト』によると、ドルトムント首脳陣はコヴァチ監督の来季続投をすでに決意しており、低迷していたチームを立て直した手腕に確信を持っている模様。解任も辞さない流れから方針転換したという。
また、同紙は「おそらくクラブ首脳陣も、この展開を予想していなかっただろう。これまで、コヴァチは今夏以降もドルトムントの監督として働き続けるための戦いを強いられるように見えていた。しかし、今やクラブ側がコヴァチ慰留のために戦わなければならなくなっている」と主張。プレミアリーグの複数クラブがコヴァチ監督の引き抜きを狙っており、ドルトムントは指揮官の退団を阻止する立場となったことを伝えている。
なお『ビルト』は、特にコヴァチ監督への関心を強めているのはトッテナムだと報じている。“スパーズ”首脳陣は、今季終了後に退団する可能性が高まっているアンジェ・ポステコグルー監督の後釜としてコヴァチ監督に白羽の矢を立てており、すでにドルトムント側に問い合わせを行っている模様だ。現状、コヴァチ監督はドルトムントでの生活に満足しているようで、ホテル暮らしからドルトムント南部のアパートに引っ越したという。だが、クラブは指揮官に対するイングランド方面からのアプローチに警戒感を抱いており、今後契約内容の見直しを含む慰留工作に全力を注ぐかもしれない。