かつて“お嫁さん候補”だった低収入女性が「結婚しにくくなっている」厳しい現実。専業主婦を望む男性の“少なすぎる割合”は

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2025年04月26日 16:00  女子SPA!

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タメニー株式会社の広報・平田さん
 こんにちは。これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。髪もボサボサで化粧もしない”完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。

 コロナ禍を経て生活はもとの日常に戻りつつありますが、明るい話題はまだ少ない印象です。結婚に対する価値観は、コロナ前とどう変わったのでしょうか。

 結婚相談所「パートナーエージェント」を運営するタメニー株式会社の広報・平田さんにお話を聞きました。

◆コロナ前とコロナ後の年収別成婚率を比較してみた

「男性の場合、年収が高いほど成婚率も上がります。この傾向は以前からありましたが、2024年は2019年と比較して、年収299万円以下男性の成婚率が下がっています。年収が低い男性は、より結婚しづらくなっているんです。

 女性の場合、年収による成婚率の差は男性ほど大きくありません。ですが、女性は自分と同じかそれ以上の年収の男性を希望する傾向があります。そのため、高収入の女性ほど希望条件に合う男性が少なく、婚活では難航しがちです」(平田さん、以下「」内同)

 女性の年収も、男性とは違った形で成婚率にかかわっているようです。

「男性は自分より年収が低い女性も希望するので、年収が高い女性ほど『数少ない高収入男性』を多くのライバルと奪い合う構図になってしまいます。

 実は2019年に最も成婚率が高かったのは、年収299万円以下の女性で31.4%でした。しかし2024年には、その層の成婚率が24.7%まで下がっています。男女とも、年収299万円以下の層で成婚率の低下が顕著でした」 

◆なぜ年収299万円以下の女性が、5年で結婚しづらくなったのか?

 2019年には最も成婚率が高かった年収299万円以下の女性が、なぜ今は婚活で苦戦するようになったのでしょうか?

「コロナ前は『価値観が合う』を結婚相手の条件に挙げる方が多かったのですが、今はそれに加えて『安心できる人』を重視する方が増えています。共働きで、結婚後も正社員として働くことを前提にしたいと考える男性が多いんです。

 2024年、20〜35歳の未婚男女2413人を対象に実施した調査では、男性の54.8%が『結婚相手には正社員でいてほしい』と回答しました。アルバイト・パート希望はわずか4.5%、専業主婦を希望する男性は0.7%にとどまりました」

 この調査は今回が初で、過去との比較はできません。平田さんが入社した2016年頃は「結婚後は専業主婦になってほしい」という男性もちらほらいたそうです。

◆年収が高くても「非正規雇用の女性はNG」の時代に

 かつて専業主婦を希望していたのは、どんな男性だったのでしょう? また、女性に正社員を希望するのは、年収が高くない男性なのでしょうか。

「以前は、転勤があるから妻には専業主婦になってほしいという男性が一定数いました。でも今は、転勤があっても専業主婦を希望する方はほとんどいません。

 最近は、看護師や薬剤師など、全国どこでも転職しやすい職業の女性と成婚されるケースもみかけます。フルリモートで働ける職種の方も人気ですね。

 終身雇用や年功序列の時代ではなくなり、大手企業に勤めていても5年後・10年後のキャリアや収入を予測しにくい時代です。年収が高いカップルでも、結婚式は挙げないという選択肢を取る方や、挙げてもリーズナブルに抑える方が増えました。マンション価格も高騰していますし、実用的な新生活にお金を使いたいのだと思います」

 実際、筆者の元にも転勤のあるメーカー勤務の男性が「正社員の女性がいい」と相談に来られたことがありました。

◆「男は年収が高ければ結婚できる」はもう過去の話

 成婚率のデータを見ていて興味深いのは、2019年も2024年も、男性の年収が800万円台までは成婚率が上がっていくのに、900万円以上になると下がる点です。

「今の女性は、結婚相手に『年収が高ければ高いほど良い』とは考えていません。国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査(図表3-2)によれば、容姿や家事育児の能力や姿勢なども重視する方が増えています。

 つまり今は、年収だけでなく外見、人柄、家事スキルなど、総合的に見て判断する女性が多いんです」

 2000年のドラマ『やまとなでしこ』では、「どうしてルックスや性格で男を選ぶのは褒められて、お金で男を選んじゃいけないの?」という名(迷?)ゼリフも飛び出していました。

 年収だけを基準に男性を選んでいたあの時代の桜子(演:松嶋菜々子)は、今の令和の婚活女性と比べると、むしろ“優しい”のかもしれません。

◆でも若くてかわいい女性なら、年収は関係ない?

 若くてかわいければ、女性の年収や雇用形態は問わないという男性もいそうですが、実際はどうなのでしょうか。

「婚活を始めたばかりの男性が、いきなり理想の結婚相手像を明確にできるとは限りません。ですが、多くのプロフィールを見て実際にお相手と会っていく中で、“経済的に自立している女性”を選ぶようになる傾向はあります」

 実際、前述の出生動向基本調査(図表3-2)では、女性の経済力を重視・考慮する男性は1992年調査では26.7%だったのに対し、2021年には48.2%まで上昇しています。

 男性は女性の「働き方」や「経済力」を見るようになり、女性は男性の「容姿」や「家事・育児への協力姿勢」を見るようになっている。そうした意識の変化が、婚活市場にも確実に現れてきています。

◆キャリアも経済力も結婚も全てを持つ女性と、何もない女性

 2019年と2024年の成婚率グラフ(パートナーエージェント提供)を比べると、2019年はまだ年収による“足切り”も今ほどシビアではなく、「優しい世界」だったのかもしれません。

 筆者も婚活女性に関して感じることがあります。「高収入高学歴だけど垢抜けないガリ勉女性」は、2025年において絶滅危惧種です。特に年齢が上がるほど、きれいな女性は年収が高めな印象があります。

 キャリアも経済力も結婚も全てを持つ女性と、何もない女性との間の格差も、広がるのかもしれません。

 未来は誰にもわかりませんが、数年後に「2025年はまだよかった」と振り返る日が来る可能性もあります。

【パートナーエージェント】
タメニー株式会社が運営する結婚相談所。
<取材・文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt

このニュースに関するつぶやき

  • それはハードル上げまくってるで→つまり今は、年収だけでなく外見、人柄、家事スキルなど、総合的に見て判断する女性が多いんです
    • イイネ!14
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