指原莉乃が語った「サシハラスメント」の後悔─10年越しの謝罪の意味

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2025年04月26日 17:01  サイゾーオンライン

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指原莉乃(写真:サイゾー)

 タレントの指原莉乃が、過去に炎上したこともある後輩への「サシハラスメント」について、初めて「すごく後悔している」などと言及。反省の意思を示したことが話題になっている。

 炎上していた当時は「スルー」対応だったことから、今ごろ言及したことに批判の声があるが、その一方で「ちゃんと認めて謝罪したのはえらい」と評価する意見もある。「サシハラスメント」があった当時のメンバーやファンの反応、今になって言及した理由とその影響などについて、業界事情に詳しい芸能記者が解説する。

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「いまいましい認識の甘さ」を反省

 指原はかつて『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)で共演していたタレントのSHELLYのYouTubeチャンネルで、18日に投稿された動画に出演。バラエティ番組での立ち位置や発言を振り返る流れになると、指原は「私は女性とか男性とか平等とかも考えられていなくて。当時の自分の認識の甘さもあったと思うし、世間の空気感もあったと思うし、幼さもあったと思う」と切り出した。

 その具体的な例として、「今すごく後悔しているやつで言うと、若い子にキスしたり、胸を触ったりするアイドル同士のコミュニケーションがあって。そういうのをネタにしていたら、ファンの人がそれを総称して『サシハラスメント』って呼んで。私も10年以上前、それが面白いと思っていたんです」と告白した。

 さらに、指原は「当然大人になってからはそういう絡みを絶対にしないようにしている」としたうえで、「いまだにファンの人が『久しぶりに“サシハラスメント”見たいです』とか言っているのを見ると、『うわ〜、マジでごめんなさい』って思うんですよね。私のせいでアップデートできていない感覚を植え付けている気がしているんです」と謝罪。

 今でも後輩アイドルたちが「女性同士で胸を触る」といったコミュニケーションを披露していることがあるが、指原は「自分の目に入る範囲内だったら注意しますけどね。『あのときはこういう笑いの取り方があったけど、もうしちゃダメだよ』って、ちゃんと理由も入れて説明する」としつつ、「それを残しているのは過去の自分のいまいましい認識の甘さだから、『もうごめん!』って思うことばかり」と反省を口にした。

 指原といえば、ダウンタウン・松本人志の女性問題が報じられた直後の2023年末に情報バラエティ番組に出演した際、ネット上で「8年前のことを蒸し返すな」との声があったことに対し、「8年前のことっていうニュアンスも、私はすごくよくないと感じる。時間が経っても同じように扱うべき」などと発言。これからほどなく、SNS上では指原が2014年のテレビ番組でスキンシップを嫌がるHKT48の13歳メンバー3人の口にキスをする映像などが拡散され、「自分の過去はいいのか」「女性同士なら問題ないと思っているのか」などと批判が噴出。炎上状態になった。

 当時、指原はこの件について沈黙を貫いていたが、1年以上が経っての言及・謝罪となった。ネット上では、中居正広氏の騒動に端を発したフジテレビ問題などで過去のハラスメントがクローズアップされているため、「リスク回避」のために謝罪したのではといぶかしがる声がある。その一方、しっかりと「認識が甘かった」と認めて謝罪したのは評価できるとの意見もある。

当時のメンバーやファンの反応は

 実際、指原が「サシハラスメント」をしていた当時のメンバーやファンの反応、空気感はどうだったのか。アイドル事情に詳しい芸能記者はこう指摘する。

「そもそも中学・高校くらいの女子だと、友だち同士で手をつないだり、密着したりといったことは珍しくなく、共学の学校でもよく見る風景。そうした若い女子特有のスキンシップは女性アイドルグループにも受け継がれており、時に“百合営業”と揶揄されることもあるが、メンバー同士でベタベタするのは当たり前にあること。カメラが回っているときなどはサービス精神でやっているのだろうと思うが、取材の合間などでもそういうスキンシップを取っているのを目にするので、それが日常なのだろう。それによってメンバー同士の仲の良さや、異性に関心がないというアピールができるので、メンバーが本気で嫌がっていないのであればファンにとってもウェルカムである。

 指原はアイドル界きっての『かわいい子』好きなので、アイドル時代は先輩・後輩に関わらず過剰なスキンシップを取ることがあった。HKT48時代は中学生の後輩メンバーが多かったので、妹のようにかわいがっていたことが『サシハラスメント』につながった側面もあるだろうが、それをファンも好意的に受け止めていた。HKT48のメンバーも劇場支配人を兼任する指原をリスペクトしていたし、ネタにもなるので、サシハラスメントを本気で嫌がっているようには見えなかった。実際、指原の薫陶を受けた元HKT48のメンバーは、グループを卒業した今でも指原への感謝を口にする者が多い」

今になってサシハラスメントに言及した理由

 スルーを続けていれば今回のように再び騒動になることはなかった可能性があるが、なぜ今ごろ言及・謝罪したのか。前出の芸能記者はこう見る。

「現在、指原は『=LOVE』『≠ME』『≒JOY』と“代アニ系アイドル”(代々木アニメーション学院が運営・マネジメントするアイドルグループの総称)と呼ばれる3組のアイドルグループをプロデュースし、どれも成功を収めている。中でも=LOVEはヒット曲が多く、メンバーのソロ活動も活発。同業の女性アイドルにもファンが多いし、卒業した齊藤なぎさは同性から圧倒的な支持を集めている。いずれも指原は深くプロデュースに関わっているので、過去のこととはいえ、サシハラスメントをなかったことにするのはメンバーに示しがつかない。AKB48グループ、坂道シリーズ、ハロプロに次ぐ勢力となりつつある中、グループに迷惑をかけないためにも、自身の口から当時を振り返る必要があったのではないか。

 また、ダウンタウンの松本人志やとんねるずの石橋貴明、中居正広氏らの過去のセクハラ・パワハラが掘り返される中で、危機感を募らせたのも間違いないだろう。指原の件でやり玉に挙げられている番組はフットボールアワーの後藤輝基と共にMCを務めた『HKT48のおでかけ!』(TBS系)で、2014年に当時13歳だった矢吹奈子、田中美久、荒巻美咲が出演した回。ほっぺたを吸ったり、キスをしたりと、確かに今見るとやり過ぎな印象も受けるが、10年近く前のこと。一応番組上では、3人が指原にやられて嫌なことを挙げるというテーマだったが、指原も20代前半だったので、前述した若い女性特有のスキンシップと映るし、それこそファンに向けての“百合営業”という面もあっただろう。

 劇場支配人と未成年メンバーという関係性で言うと、立場の差があるのでアウトと判断されかねないが、当時としてはあくまでスキンシップの範疇ではあった。また、この番組はHKT48ファンからの人気が高く、2013年から2017年まで4年以上続く番組となり、HKT48のメンバーを世間に売り出すのに一役買った。多くのアイドルファンはそれを熟知しているので、ちゃんと謝罪と反省の意を示したのであれば、そこまで指原にとって痛手になることはないだろう」

 いずれにしても、今後は「女性同士なら少し強引なスキンシップもOK」という暗黙のルールの継続は難しくなりそうで、女性アイドル界の“営業”にも変化を及ぼしそうだ。

(文=佐藤勇馬)

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