金閣寺近くの老舗昆布店→ポテトスナック専門店に 5代目社長の狙いは

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2025年04月26日 19:10  まいどなニュース

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金閣寺店をポテトスナック「POTEKON」の専門店に一新する「五辻の昆布」の久世社長(京都市上京区の本店)

 京都市上京区にある老舗昆布店「五辻の昆布」の金閣寺店(北区)が4月、ポテトスナック専門店に一新された。看板商品のつくだ煮に代わって売り出すのは、幅広い世代が好むポテトを粉末状の昆布で味付けした手軽なおやつだ。昆布をはじめとする良質なだしの味覚を身近に感じてもらう狙いだという。

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 1902(明治35)年創業の同社は、だし昆布やつくだ煮を中心に販売し、西陣の地で長く親しまれてきた。近年は、だしを取る家庭の減少や昆布の不漁を背景に主力商品の苦戦が続く。2年前には昆布のうまみを伝えるラーメン店を始めるなど、5代目久世章斗社長(43)が「日本の料理のベースとなるだしの感覚」の発信に注力している。

 今回、2009年に出店した金閣寺店のリニューアルを決めた。外国人観光客も多いエリアの新たな商材として、20年の発売以来人気のポテトスナックを、種類を増やして売り出すことにした。

 看板商品となる「POTEKON」は、棒状にカットしてかりかりに揚げたポテトに昆布と山椒(さんしょう)で味を付けた既存フレーバーを含む計6種類に充実。昆布をベースにホタテや野菜、しいたけなどを合わせ「うまみの相乗効果」を引き出した。土産需要を踏まえ、舞妓や金閣寺、祇園祭といった京都らしい包装にこだわった。

 カフェ利用もでき、フライドポテトにマヨネーズや昆布水をかけたり、だしに浸したりした軽食を提供する。

 「五辻の昆布」の看板をかけ替えてのリニューアルは思い切った挑戦だ。久世社長は「指をくわえて待っているだけでは昆布やだしの文化が衰退してしまう。生き残るための身の丈に合った発信です」と説明する。

 ちなみに、舞妓をあしらった持ち帰り用の紙袋には、SNSでの話題性を意識した遊び心も。一見同じに見える裏と表のデザインの違いを、手に取って楽しんでほしいという。

(まいどなニュース/京都新聞)

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