瀬戸山エリカ氏 ‘24年11月に世間を騒がせた、メルカリでの返品を巡る利用者トラブル。出品した商品と別の物が返品されたうえ、メルカリ事務局が誠実な対応を取らなかったことから大炎上する事態となった。物販のスクールを運営する瀬戸山エリカ氏は、「私自身、メルカリでのトラブルの相談を受けることが多い」と明かす。
◆別の商品を送り返す“返品詐欺”が問題に
「メルカリでのトラブルがニュースになる数日前に、知人から相談を受けました。知人の知り合いがメルカリでヴィトンのバッグを5万円で出品したところ、購入者がニセモノだと主張して取引がキャンセルになったそうです。
でも、購入者から返品されてきたものは、出品したヴィトンのバッグではありませんでした。メルカリに被害を訴えても、『もう終わったことだから』と介入してもらえず、泣き寝入りしたそうです」
話題になった典型的な“返品詐欺”だが、こうしたトラブルは大きく取り上げられる前から起こっていたという。
「明るみになっていないだけでトラブルは耳にしていましたが、数年前までは利用者間でトラブルが起こってもメルカリ事務局が返送料を負担してくれるなど、今よりも対応が丁寧な印象でした。
でも、昨今は利用者数が急増していて、メルカリ事務局の手が回っていないのかもしれません。利用者と取引件数が多くなれば、詐欺に遭う方も増えてしまいますし、誰でもSNSを使って発信しやすくなったことで、表面化してしまったんだと思います」
◆トラブルを未然に防ぐには…
メルカリで被害に遭わないようにするには、どのような対策が考えられるのか。
「大前提として、評価が著しく低いアカウントや取引実績の少ないアカウントとは、取引しないほうがいい。日本人の気質なのか、1000件以上取引をしても、きちんと対応していれば悪い評価をつけられることは数件程度で、ほとんどありません。悪い評価がついている人はクレーマー気質であるなど、トラブルに発展する可能性が高いと言えます。
購入者側は、商品を探すときに出品者のアカウントをチェックすればいいですが、出品者側の場合、購入者のアカウントが疑わしい場合もあります。出品者都合でキャンセルすることもできますが、できれば避けたほうがいいので、コメントでやり取りして判断するのがおすすめです。評価が低いうえに、上から目線でコメントする方や、日本語がたどたどしい方は注意したほうがいい」
◆トラブルを防ぐメルカリの便利なサービス
また、トラブルを未然に防ぐには、「メルカリのサービスを利用するのも有効」だと教えてくれた。そのひとつが「あんしん鑑定サービス」だ。
これは、出品者が商品の出品時に設定することで、購入者はその商品を購入する際に「あんしん鑑定」を利用するかどうか選べるサービス。鑑定手数料を負担するのは購入者で、購入者があんしん鑑定を利用して商品を購入すると鑑定手数料が発生する。
鑑定手数料の金額は商品カテゴリーによって異なり、最も安いトレーディングカードで1700円(税込)、最も高いラグジュアリー ファッション・小物で4300円(税込)となっている。
「出品者がニセモノだと知らずに販売した場合、購入者側にも責任が生じてしまいますが、このサービスを利用すれば、出品者は自信を持って販売できますし、購入者もニセモノをつかまされる心配はありません」
また、配送は追跡サービスが付いたものを選ぶべきとも。
「返品詐欺のほかに考えられるのは、商品を発送したにもかかわらず、購入者に『届いていない』と言われるトラブルです。メルカリ便を利用すれば、出品者と購入者の双方で追跡番号による配送状況を確認できるので、“商品が届いたことの証明”が行いやすくなります」
◆注意していてもトラブルが起こったときは?
万が一、トラブルが起こったときのための対策もあるという。
「確実にできるのは、商品の写真などは確実に残しておくこと。メルカリ事務局や警察に相談するときに、写真は証拠になります。また、高価な商品の場合は独自のタグを商品につけて、タグが外されていない場合は、返品に応じるというルールを購入者側に納得してもらったうえで、取り引きするのも予防策としてはいいかもしれません」
それでもトラブルが起こったときは、すぐにメルカリ事務局に相談をする必要がある。
「メルカリは、対応方法や補償制度を見直すことを明らかにしています。世間を騒がせたような冷たい対応をされることはないと思いますが、メルカリ事務局が介入しても問題が解決しないときは、警察に被害届を出すしかありません」
警察のお世話にならないためにも、自分でできる対策は講じておきたい。