週明け28日前場の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比16.34ポイント(0.07%)高の21997.08ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が2.24ポイント(0.03%)高の8082.78ポイントと小幅に続伸した。売買代金は966億1310万香港ドルに縮小している(25日前場は1163億6010万香港ドル)。
中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。28日午前の取引時間中に、中国国家発展改革委員会(発改委)と中国人民銀行(中央銀行)が共同で記者会見を実施した。発改委の副主任は「経済状況の変化に応じて新たな政策を公表する」と述べ、人民銀の副総裁は「適度な金融緩和」を継続し、「景気支援の強化」と「人民元相場の安定」に注力すると強調した。関税問題を巡る米中協議の先行きが不安視される中で売り先行したが、指数は前引けにかけてプラス圏に浮上している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国の電子商取引(Eコマース)大手、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が2.9%高、薬品卸で中国最大手の国薬HD(1099/HK)とICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)がそろって2.6%高と上げが目立った。国薬の25年1〜3月期は3%増益。24年通期決算が22%減益とさえなかっただけに、業績のプラス成長回復が好感された。
セクター別では、半導体が高い。SMICのほか、ASMPT(522/HK)が2.3%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が2.1%、華虹半導体(1347/HK)が1.6%ずつ上昇した。
中国の銀行セクターもしっかり。中国農業銀行(1288/HK)が2.1%高、招商銀行(3968/HK)が1.4%高、中国銀行(3988/HK)と交通銀行(3328/HK)がそろって1.2%高で引けた。
消費セクターの一角も物色される。フィギュア・玩具の泡泡瑪特国際集団(ポップ・マート:9992/HK)が11.1%高、組み立てキャラクター玩具の布魯可集団(325/HK)が7.2%高、百貨店の百盛商業集団(3368/HK)が6.6%高、スポーツ用品の中国動向(3818/HK)と家電のTCL電子HD(1070/HK)がそろって4.4%高、食品・飲料の統一企業中国HD(220/HK)が2.5%高、免税店の中国旅遊集団中免(1880/HK)が1.9%高で前場取引を終えた。ポップ・マートについては、同社の公式アプリが25日、米国アップル・アプリストアのショッピング部門でダウンロード数が1位になったことなどを材料視。上場来高値を再び更新している。
半面、中国の不動産セクターは安い。中国奥園集団(3883/HK)が5.3%、万科企業(2202/HK)が3.8%、合景泰富地産HD(1813/HK)が2.9%、中国金茂HD(817/HK)が1.7%ずつ下落した。
自動車セクターも総じてさえない。比亜迪(BYD:1211/HK)が4.0%安、広州汽車集団(2238/HK)が3.4%安、東風汽車集団(489/HK)が2.3%安と値を下げた。自動車世界大手のBYDは予想を上回る100%増益だったが、目先の材料出尽くしの売りが先行している。
一方、本土マーケットは小幅に続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.03%安の3294.03ポイントで前場取引を終了した。不動産が安い。消費関連、素材、保険・証券、インフラ関連なども売られた。半面、銀行は高い。公益、石油、ハイテクの一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)