腕時計の「革バンド調整」を自分でやるには? バンドの取り外し方や、追加の穴開け方法を解説!

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2025年04月30日 06:10  Fav-Log by ITmedia

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腕時計の「革バンド調整」を自分でやるには?

 近年はファッション用品を、Amazonや楽天などのECサイトで購入する機会が増えました。腕時計も、ネットでの購入に最適なアイテムの1つ。金額的にお得に入手できることが多い上に、店舗で接客を受ける手間が省ける点も魅力です。

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 ただし、ECサイトで腕時計を購入する際に1つの「関門」となるのが、バンドの調整です。専用の工具が必要となるため、(価格面を妥協して)実店舗にて購入された経験のある方もおられるかもしれません。

 ですが、適切な工具をそろえてコツを理解すれば、ご自身でほとんどの腕時計バンドをサイズ調整することが可能です。今回はAmazonで購入できる工具セットを用いて、腕時計のバンド調整にチャレンジ。ご自身でバンド調整を行う際の、作業の概要とポイントについて解説します。

●バンド調整に特化した工具セットを選ぶ

 バンド調整のための工具の選び方ですが、単品工具を買いそろえるよりは、工具セットの購入がおすすめです。腕時計用の工具セットには裏ぶたの取り外しにも対応した、デラックスなセットも存在します。バッテリーの交換やムーブメントの調整に関しては専門店に依頼する前提であれば、裏ぶたの取り外しは不要です。バンドの調整に特化した工具セットを選ぶのが良いでしょう。

 今回はAmazonで購入可能な工具セットの中から、「JOREST」の時計バンド調整工具セットをセレクトしてみました。バネ棒外しとコマ外し、バンド固定台に加え、ハンマーとピン抜き棒、ポンチと消耗部品がセットになっており、外装箱は工具ボックスとしても活用できます。充実した内容ながら1000円以下(※原稿執筆時点)で購入できる、コスパの良さも魅力です。

 以下では革バンドの調整を例に、最も基本的なバンドと尾錠の着脱方法について解説していきます。

●バネ棒の扱いには、専用の工具を用いる!

 革製か金属製かを問わず、多くの腕時計バンドの固定に用いられるのが、バネが仕込まれて両端が伸縮する「バネ棒」です。バネ棒を用いたバンドの取り外しには、専用の「バネ棒外し」を使用します。

 バックルなどの外部に貫通穴が露出した箇所では、バネ棒外しの先端形状が丸棒状の側で、バネ棒の先端を押しながら取り外します。

 一方でケースとバンドとの接続部(いわゆるラグ部)は、本体側の穴部が外観に露出していないことが一般的です。その場合はバネ棒外しの先端が二股になった側をバネ棒に差し込み、バネを縮めながらバンドを取り外します。

 作業上の注意点としては、後者(二股の先端部を用いた作業)では、バネ棒外しの先端で腕時計を傷つけやすい点に注意が必要です。腕時計をしっかりと持ち、時間と心に余裕を持って作業を行ってください。また、バネ棒外しの先端部は細く、力をかけ過ぎると先端部が曲がる恐れがあります。今回のバネ棒外しは、先端部が交換式で予備の先端部が付属していました。工具を長く使うという観点で、うれしい心配りだと感じました。

●バンドの穴開け作業は、付属のポンチで行う!

 「心配り」と言えば、今回使用した工具セットには革バンド向けの穴開けポンチも付属していました。手首周りが革バンドの調整範囲に収まらない場合は、簡単に追加穴を開けることもできます。

 ポンチを用いた穴開け作業のコツですが、まず穴開けはバンドの表側から行います。また一気に穴を開けずに最初は表面に軽く跡を付けつつ、穴の中心位置を微調整するのがポイントです。追加穴の位置がズレると尾錠の着脱性が悪くなったり、外観に悪影響を及ぼします。最初はポンチをハンマーでごく軽く叩き、表面にポンチの跡を付けます。中心位置が微妙にズレていたらポンチの位置を微修正し、位置を決めたらハンマーで打ち抜きましょう。

 作業の際の下敷きはご自宅のカッターマット等でもOKですが、マット面に穴が開き、その後の作業に影響が出る可能性があります。ポンチ用のゴム板を、別途購入しておくと安心です。

 今回の工具セットには、直径が約1.5mmのポンチが付属していました。ほとんどの革ベルトに対応可能なサイズですが、まれにより大径(2.0mm径)など、異なった径のポンチが必要となる場合も存在します。余裕があれば差替式のポンチセットを購入しておけば、幅広いタイプのバンドの穴開けに対応可能です。

●店舗に依頼するよりも……

 この記事では革バンドの調整を例に取り、腕時計のバンド調整で最も基本的な作業となるバンドの取り外し方と、革バンドの追加の穴開け方法について解説しました。

 「信頼できる専門店に依頼するのが、最も安心」というのも1つの考え方ですが、バンド調整などの軽作業は慣れてしまえば、店舗に依頼するよりもご自身で行った方が確実かつ安上がりで、時短にもつながるということもあります。

 後編記事では、金属バンドのコマ調整について解説していきます。

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