青木マッチョ、マッスルオペラちゃんら新世代が台頭! 筋肉芸人のバラエティ需要が高い理由

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2025年04月30日 12:01  サイゾーオンライン

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イメージ画像(写真:Getty Imagesより)

 近年、お笑い界の一つのジャンルとして定着した「筋肉芸人」。最近はTBS系『ラヴィット!』からブレイクした青木マッチョをはじめとする、新世代の筋肉芸人のバラエティでの活躍が目立ち、今まで以上に存在感を増している。なぜ筋肉芸人たちはテレビで重宝され、視聴者にウケているのか。お笑い事情に詳しい芸能ライターが解説する。

ひょうろく、青木マッチョら…『ラヴィット!』&『水ダウ』からブレイク芸人続出の理由

青木マッチョら新世代の筋肉芸人が台頭

 筋肉芸人のジャンルは、古くは「筋肉漫談」で知られたぶるうたす、その後はなかやまきんに君らが開拓し、近年はお笑い界の一大ジャンルに成長。ミルクボーイの駒場孝、東京ホテイソンのショーゴらのようにボディビル大会で優勝するほどの本格派も現れた。また、マヂカルラブリーの野田クリスタルは自身が考案したパーソナルジム「クリスタルジム」のジム長を務め、同ジムから新世代の筋肉芸人を世に送り出している。

 「クリスタルジム」にトレーナーとして所属するお笑いコンビ「かけおち」の青木マッチョは、180cmの長身で47cmある極太の腕の持ち主。それほどの超マッチョなのに「脱がない」「物静かで大人しい」という、従来の筋肉芸人のイメージを覆すキャラクターが『ラヴィット!』で大ウケし、一躍ブレイクした。

 筋肉芸人ブームは女性芸人にも波及しており、昨年大みそかの年越し特番『ぐるナイ年越しおもしろ荘!今年も誰か売れて頂戴スペシャル』(日本テレビ系)への出演で大きなインパクトを残した、マッスルオペラちゃんも人気が急上昇中だ。

 オペラをBGMに筋肉を見せつけながら、フリップで筋肉ネタを披露するというスタイルで爆笑をさらい、同番組でゲストとして彼女のネタを見ていた女優で歌手の上白石萌歌も「大好きな芸人さん」と公言。今年1月末に『ラヴィット!』に出演した際も青木マッチョとの共演が話題になった。

 この他にも「吉本若手マッチョ部」のメンバーで青木マッチョと同じく「クリスタルジム」でパーソナルトレーナーを務めるリボルバー・ヘッドなど、新世代の筋肉芸人に注目が集まっている。

筋肉芸人がバラエティで重宝される理由

 なぜ筋肉芸人の人気や需要が拡大しているのか。お笑い事情に詳しい芸能ライターの田辺ユウキ氏はこのように分析する。

「筋肉芸人の良さは、健康的なところです。マヂカルラブリーの野田クリスタルさんがWEBメディアのインタビュー記事で『“芸人は不健康”な時代は終わった。今は健康じゃないと笑えない』と発言されていましたが、おっしゃる通りだと思います。かつては筋肉芸人や、運動能力が高い芸人も、いかにも芸人らしい動きを求められました。芸能界一の脚力を誇っていた井手らっきょさんもなんだかんだで最後は全裸になっていましたし。ただ現在はそんなお笑い的なオチをつける必要はなく、身体能力を発揮する企画であれば、思う存分、そのすごさを見せたままで終えればいい。そのがんばり自体がオチになります。

 また、筋肉芸人が重宝される理由は、バラエティ番組でスポーツ企画が好評になっていることも影響している。脚力勝負の企画だけでも『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)の『サバイバルレンチャン』、『オールスター感謝祭』(TBS系)の『赤坂5丁目ミニマラソン』、『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)の『100kmサバイバルマラソン』などがあります。これはタレントに限らずですが、一生懸命走っている人たちの姿は感動を呼びますし、『サバイバルレンチャン』のように企画性がそこに乗るとバラエティ的なおもしろさも生まれます。スポーツ企画の流行もあって、筋肉芸人が重宝される傾向になっているのではないでしょうか」

 確かに、最近はバラエティでスポーツ企画を目にすることが多くなっている印象がある。その業界の流れにうまく筋肉芸人たちが乗ったという面もあったようだ。田辺氏は続ける。

「バラエティでのスポーツ企画は、体調面への配慮に注意しなければいけませんが、企画自体に関しては、コンプライアンス的な問題は他の企画に比べると少ない。そういった部分からも、テレビでスポーツ企画はやりやすいのでは。ただ、やはり出演者は限られる。なぜなら基本的にはスポーツができないとダメだから。ただ一度でもスポーツ系の企画で成功を収めると、各局のバラエティ番組のスポーツ企画に必ず呼ばれるようになります。

 だからどの番組も基本的なメンツは同じで、そこに新しい顔ぶれがたまに加わったりする感じですよね。森脇健児さんが芸能界の第一線でずっと生き続けていられるのも、やはりそういう理由かと思います。おばたのお兄さんらもそうですし、最近では四千頭身の石橋遼大さんもスポーツ芸人として道を切り開いています。一度でもスポーツタレントや筋肉タレントとして認知されると当分、安泰です」

 バラエティにおける需要という観点で見ても、筋肉芸人がテレビで重宝されるのは当然のことのようだ。今後もさらに筋肉芸人は存在感を増していきそうだが、田辺氏にこれから筋肉芸人として人気が高まりそうな注目の芸人を挙げてもらった。

「注目の筋肉芸人は、コロコロチキチキペッパーズの西野創人さんです。私は、西野さんが肉体改造を始めた当初から、その経過を報告するInstagramを見ていました。最初はだらしのない中年体型だったのですが、劇場の出番などの合間にジムへ行ったり、食トレをしたりして、徐々に体つきが変化。2024年にフィジークの大会へ出場することを報告し、大会直前には、午前中にジムへ行って、そのあと収録を4本して、移動中に身体に良い食事を摂り、夜10時に帰ってから自宅でトレーニングというスケジュールを送っていらっしゃいました。そのInstagramでの日々の報告自体が、エンタメ要素があっておもしろかったです。

 西野さんの肉体改造からは、なにより『どんなことでもがんばり続ければ成果があらわれる』ということを教わった気がします。西野さんの取り組みは、励みになるところがたくさんありました。現在の西野さんは筋肉志向がさらに強まり、かつてのシャープなマッチョではなく、ゴリゴリのマッチョになっています。ビルドアップしすぎで、コントの役柄にも支障が出そうな気がしますが、そののめり込み具合も含めておもしろいです。

 あと、まだそんなに筋肉芸人であることは知れ渡っていませんが、フースーヤの谷口理さんが実はマッチョ芸人になりつつあります。谷口さんはいま、劇場公演のコーナーパートでも、たとえば大喜利企画なんかでも、なにかあればすぐに服を脱ぎます。そしてマッチョポーズをとります。しかも結構、良い筋肉のつき方をしているんでんすよね。何度かインタビューもしていますが、Tシャツを着ていても、はっきりとトレーニーであることが分かります。ご自身でも、ことあるごとに服を脱いで筋肉を誇示しているところを見ると、筋肉芸人としての自覚と自信が芽生えつつあるのではないでしょうか」

(文=佐藤勇馬)

協力=田辺ユウキ
大阪を拠点に芸能ライターとして活動。映画、アイドル、テレビ、お笑いなど地上から地下まで幅広く考察。

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