天皇賞(春)に出走予定のヘデントール(撮影:小金井邦祥) 古馬長距離路線の頂点を決める一戦、天皇賞(春)。今年も京都競馬場で行われ、3コーナーに高低差約4mの坂があり、これをどう乗り越えるかが好走のカギを握る。2度通過することになる3200mならなおさらだ。トリッキーなコースであるから、馬の適性はさることながら、乗り役のリードに依る面も大きく、騎手の京都実績を重視して予想するのも一つの手だろう。
1.前走1着馬が好成績、複勝率は44.1%
過去10年のデータを見ると、前走で1着だった馬は天皇賞(春)で[6-4-5-19]と、連対馬10頭、3着以内馬15頭を送り込んでいる。勝率17.6%、複勝率44.1%は他のステップと比較しても非常に高い数値だ。さらに、複勝回収率も104%と馬券的な妙味も十分。長距離GIだけに安定が求められると言えるだろう。
2.中心は4歳馬も高齢馬は妙味あり?
過去10年の馬齢別成績では、4歳馬が[4-2-4-31]で勝率9.8%、複勝率24.4%と最も優秀な成績を収めている。菊花賞と同じ京都の長距離ということもあり、若い世代が勢いそのままに好走するケースが多い。次いで5歳馬が[4-4-1-41]で複勝率18.0%、6歳馬が[2-3-1-31]で複勝率16.2%と続く。一方で、7歳馬は[0-0-4-16]と勝ち星こそないものの、3着が4回あり複勝率は20.0%を記録。さらに複勝回収率は106%と高く、人気薄での激走が見られることから穴馬券の候補として面白い存在だ。
3.前走GI組が狙い目
ステップレースのクラス別成績を見ると、前走GI組は[2-1-0-6]で複勝率33.3%と高い好走率を誇る。有馬記念から直接臨んで勝ったフィエールマンや、大阪杯をステップにキタサンブラックやシュヴァルグランが好走している。出走頭数が最も多い前走GII組は[8-8-8-97]で複勝率19.8%とGI組には劣るものの、勝ち馬8頭を輩出していて中心にはなる。
ヘデントールは昨年の菊花賞2着の実績が光る4歳馬。前走のダイヤモンドSでは、早めに先頭に立つ積極的な競馬で後続を4馬身突き放す圧勝を見せた。前走1着馬のデータや、4歳馬の好成績データにも合致する。長距離適性は疑いなく、GIの舞台でも十分に通用するスタミナと先行力を兼ね備えている。充実著しく、GI初制覇に期待がかかる。