
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『スマホゲーム』について語った。
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★今週のひと言「 『Gジェネ』スマホアプリがリリースされて生活が破綻」
今回、事前の打ち合わせでは「こどもの日」が近いので、子供との過ごし方などについて書くつもりだったが......困った。
それどころではないのだ。
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このたび、Gジェネこと『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』のスマホゲームアプリがリリースされたものだから、それはもう一切合切そっちのけで没頭してしまっている。またガンダムの話かよ、と思うだろうが、それでいい。それでこそコラムの意味がある。
去年の半ば頃からガンプラにハマり、ガンダムのアニメ過去作を履修し、ドンピシャのタイミングで最新シリーズ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』の劇場版、地上波アニメの公開、極めつきにスマホゲームアプリのリリースだ。
ひとりの忙しい日本人中年男性がガンダムに触れたことによって日常を侵されていくサマを、リアルタイムでつづっているのだ。刮目(かつもく)せよ。
とはいえ、リリースされたばかりのスマホゲームアプリについてただ宣伝しているだけでは面白くない。
俺なりに無理やりに当初の予定であった子供、子育てと絡めてなんとか今回をしのごうではないか。
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とにかく、今は何をするにもGジェネを噛まさないことには前に進まない。
Gジェネの要素を大まかに分解すると、戦略シミュレーション、ガチャ、育成だ。
メインは『機動戦士ガンダム』シリーズのストーリーをSDキャラクターたちでなぞっていくのだが、実はそんなことはどうでもいい。ハッキリいってオマケだ。
その証拠に戦闘はオートモードで任せっきりにできるし、戦闘の合間に挟まるストーリーもスキップできてしまう。そのへんはヒマができたときにまとめて見返せばいいのだが、そんなヒマは来ない。
俺はすでに2日間ほかに何も手につかず、嫁さんの話や子供らのじゃれつきにも心ここにあらずでGジェネに没頭しているのだが、ではストーリーや戦闘そっちのけで何にハマっているのかというと、結局ガチャとそのガチャで引き当てたキャラクターたちの育成だ。
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今までもいくつものスマホゲームをやってきたが、生活に支障を来すほどにのめり込むのは、決まって育成要素だ。『ポケモン GO』も『FFBE幻影戦争』もそうだ。結局はガチャと育成だ。
幸い俺は基本的にスマホアプリはまだ無課金の領域にとどまっているのだが、世の中には現実世界で汗水垂らして稼ぎ、その半分近くを税金で持っていかれてもなお、生活を切り詰めてまで湯水のようにリアルマネーをアプリに注ぎ込み、虚構の世界のキャラクターを育てている電脳お父さんが大勢いるはずだ。俺たちは何かを育てるために金を使うし、稼いでいるのだ。
俺には現実の子供たちがいるからさすがにゲームキャラを育てるために使う金はないのだが、俺が独り身だったら金を払ってでもSD化されたMS(モビルスーツ)たちを立派に育てたくなってしまうかもしれない。
もっと言うと、過去に『ポケモン』や『FFBE』のキャラクターたちにも、多額のお金をかけてしまっていたのかもしれない。
最近では親ガチャ、子ガチャなんて言葉もあるが、実際の子育てや家庭はガチャのようにお目当てに当たるまで引き直したり、ハズレキャラクターを分解して素材にすることもできない。
俺は今現実の子育てをおろそかにする勢いでGジェネに没頭している身ではあるが、スマホの中でも外でもやっていることは同じなのだと、気づけたよ。ありがとう週プレ。
撮影/田中智久