Aさん。左が普段のメイク「顔の比率を描き変える骨格補正メイク専門家」の池田曜央子(いけだ・ようこ)です。元設計士の私が考案した『骨格補正メイク』を、センス不要で理論的なメイク法として書籍などで発信しています。
一般向けメイクレッスンや、後進を育成する、資格講座なども開講しているのですが、今回はレッスンで素敵に変身した50代女性のアイメイク法をお伝えしたいと思います。
※アイテムは店舗により同じ商品がない場合や、既に販売終了している可能性があります。
◆一気に変わるな、と思ったポイントは3つ
Aさんは都内に勤める50代キャリア女性。専門職として講師を任されることも多く、先日フォトスタジオにてプロフィール写真を撮ったそう。実はそれが悩みのタネで、メイクを学ぶことを決意しました。
実際にその写真を見ると、キリッとしていて仕事ができそうな“理想の講師感”が出ていましたが、「息子から、プロフィール写真と実物が違いすぎない? と指摘されまして……。毎回メイクさんを頼むわけにもいかないし、自分でちゃんとメイクができるようにならなきゃなぁと思って来ました」とのことでした。
元々バランスが整っているAさんですが、パッと見てここを補正したら一気に変わるな、と思ったポイントは以下の3つでした。
1.肌の赤みを消す
2.眉の形を骨格に合わせる
3.アイラインをインサイドに入れる
今回はその中から、誰でも簡単に瞬時に目ヂカラUPが叶う「3.アイラインをインサイドに入れる」コツを中心に、おすすめアイテムについてもお届けしたいと思います。
◆アイラインのインサイドって何?
早速ですが、「アイラインのインサイドって何?」という方のために解説しますね。
まつ毛の根元で、肌色の部分のことを「インサイド」と呼んでいます。この部分、私自身もそうですが年々見える範囲が広がっている人が多いようで、Aさんも正面から見えていました。きっとこの部分も年齢とともにたるむのではないか、と感じています。
でも! この肌色の部分が見える人はラッキーでもあるんです。なぜならこの部分にアイライナーを引けば、黒目の縦幅が拡張されて見えるので、まるでカラコンを入れたように目が大きく見えるのです。
Aさんも、目の印象がハッキリして、目ヂカラがグッと強くなりました。
インサイドラインは滲(にじ)みやすいので、アイライナー選びがとても重要です。出来るだけ速乾性があり滲みにくいリキッドアイライナーがおすすめで、私は公私共に「K-パレット 1DAY TATTOO リキッドアイライナー 01 メロウブラック」を愛用しています。
インサイドラインを上手に入れるコツは、軽く顎を上げて、鏡でまつ毛の根元がしっかり見えるようにしてから、リキッドタイプのアイライナーの筆でまつ毛とまつ毛の間を点打ちするように引くことです。
また、まつ毛の根元をより見えやすくするために、ビューラーでカールアップしておくことでさらに引きやすくなります。
マスカラの前にアイラインを引く人が多いと思いますが、私がおすすめする順序は以下のとおりです。
1.まつ毛外側(アウトサイド)のアイライン
2.まつ毛カールアップ&マスカラで固定(まつ毛の根元が見えやすくなる)
3.まつ毛根元(インサイド)のアイライン
※注意:詳しくは後述しますが、インサイドの粘膜を全部塗りつぶしてしまうと、マイボーム腺という油分の出口を塞ぎ、ドライアイなどの原因になる可能性もあります。インサイドを入れる時はできるだけ粘膜を避け、あくまでまつ毛とまつ毛の間を埋めるように点打ちして入れてください。
◆アウトサイドには違うアイライナーを
続いて、まつ毛の上に入れるアイライナーのことを「インサイド」に対して「アウトサイド」と呼んでいるのですが、アウトサイドに入れるアイライナーについては、ブラウンやニュアンスカラーを使って抜け感のある今っぽさを出すのがポイントです。
大人は目ヂカラをUPさせつつ、かつ今っぽい抜け感を出すために、インサイドとアウトサイドではアイライナーを使い分けるのが池田流。私がよく使っているアウトサイド用のアイライナーは「KATE(ケイト) レアフィットジェルペンシルN BR-1」です。
繰り出しタイプのジェルライナーで、描いた直後なら綿棒などで形を微調整できるので失敗しにくくておすすめです。
このようにまつ毛の上下でアイライナーを使い分け、まつ毛をサンドイッチする方法を、私は「アイライナーのサンドイッチ工法」と呼んでいます。
◆目が大きくなると相対的に小顔効果も!
1dayレッスンで見違えるようになったAさんの感想は――。
「アイライナーの入れ方が目からウロコで、派手じゃないのに自然に目が大きくなり、相対的に顔が小さくなったように感じました。メイクでもっとキレイになれると実感できてとても嬉しかったです。もうプロフィール写真と違うなんて言わせません(笑)。自信を持って人前に出られるようにメイクの復習がんばります」
最後に、インサイドラインを粘膜部分にまで塗ると、よりデカ目効果はあるのですが、前述した通りマイボーム腺を塞ぐという危険性も指摘されていますので注意が必要です。
私自身に関して言えば、正直、粘膜まで覆うようにガッツリとインサイドを入れることはありますが、それは撮影や講師登壇の日など“勝負の日”に限定しています。そしてその日はクレンジングもより丁寧に行っています。
具体的にお伝えすると、顔全体クレンジングの前に、まずは目元の部分クレンジングから始めます。やり方は、低刺激のクレンジングウォーター等を綿棒になじませ、擦らないようにまつ毛の根元にそっと当てて少しづつ落とすようにします。目元は危ないので丁寧に扱い、出来るだけ負担をかけないように注意して丁寧に落とすようにしてください。
おすすめのクレンジングウォーターは、「ビオデルマ」というフランス発ブランドです。
年々まぶたが下がってきて目の印象が弱くなってくる大人世代には、この目ヂカラUPするアイラインのインサイドとサンドイッチテクニック、ぜひ取り入れていただき、毎日のメイクを楽しんでいただけると嬉しいです。
<文・写真/池田 曜央子>
【池田 曜央子】
(いけだ・ようこ)メイク講師。骨格補正メイク考案。一般社団法人日本骨格バランス協会代表理事。
1977年生まれ、青山学院大学経済学部卒業。建築士だった38歳のころ、愛犬の事故死でうつ状態に陥り、糖質依存となり15kgの激太り。外見差別を受けたことをきっかけに、美容・ファッションなどを学び、メイク講師として活動を開始。輪郭と顔パーツを数値で分析、骨格や年齢による変化を補正し、好印象な美人に近づける独自の「骨格補正メイク」を考案。メイク講座やスキンケア講座などで1000名を超える女性を変身させる。43歳で-17kgのダイエットも成功させ、ミセスコンテストで特別賞受賞。著書『骨格補正メイク 顔の比率を描き変えて、一生美人!』(主婦の友社) Instagram:@ikeda.makeup ブログ