「嫁と僕のご飯の格差がすごい」罰ゲームにしか見えない“ディストピア飯”に衝撃!夫婦に直撃

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2025年05月04日 09:20  女子SPA!

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女子SPA!

手前の食事は罰ゲーム?
 52Hzという漫才コンビで活動しているお笑い芸人の瑞希さん(@taken_0114)が、2025年1月25日にXで発信したポストが話題になっています。

「嫁と僕のご飯の格差がすごい」という嘆きとともに投稿されたこの画像は、瑞希さんと妻・よるるさんの食事風景。手前が瑞希さん、向こう側がよるるさんのランチです。たしかに、格差がすごい……。

◆夫の食事はグミや備蓄用食糧…?

 ちなみに、このときのご夫婦が食べていた食事はそれぞれ以下のメニューだそうです。

【瑞希さん】
・カバヤ食品株式会社「タフグミ」
・萬有栄養「THE救難食糧ER」
・ナタデココ(メーカー不明)
・森永製菓「大粒ラムネ」

【妻・よるるさん】
・和牛ローストビーフ重
・和牛すじ肉の赤味噌トマト煮込み
・赤ワインジュレ
・低温調理鶏ハムときのこの柚子胡椒ラタトゥイユ
・白身魚とパプリカの黒七味エスカベッシュ
・丹波黒豆と枝豆のコンソメアスピック
・小エビと芽キャベツの冷製アヒージョ
・あおさオムレツ
・鰆のオイルサーディン マスタードリエット
・お野菜とレーズンのラぺ・スモーク鴨の木の芽味噌焼き
・ブロッコリーオーブン焼き
・栗のガトーショコラ
・ミニパルシエ

 震える格差です。よるるさんが食べたほうは、なんと総額5400円というブルジョアぶり! その対面で“ディストピア飯”(SF映画に登場するような無機質な食事)を食べていた瑞希さんに、なぜこんなことになってしまったのか話を聞いてみました。

◆ディストピア飯は罰ゲームではない

――なぜ、瑞希さんはこんなことになってしまったのでしょう。罰ゲームですか?

瑞希:ではないですね。もともと僕、食にあまりこだわりがなくて。カップヌードルでもカロリーメイトでもいいみたいな食習慣というか。高級料理とかもよくわからない感じなんです。

――じゃあ、瑞希さんはああいうローストビーフを食べたいと思う人ではない?

瑞希:ないですね。実は、妻が食べているのはリモート新年会用に僕が職場からもらったご飯なんです。まあ、価値がわからない僕が食べるより、お肉を好きな妻が食べてもらったほうが良いと思ったので。

――いや、めちゃくちゃおいしそうでしたよ!

瑞希:ローストビーフがメインのオードブルみたいなものらしいですね。まあ、僕は一口も食べてないですけど(笑)。

――瑞希さんが食べたほうのランチは総額いくらくらいなのでしょう?

瑞希:概算で800〜1000円くらいだと思います。今回の4つのメニュー、特に7年持つ備蓄食料として自衛隊などにも採用されているビスケットバー「THE救難食糧ER」は質素どころか逆に高かったりもして、そういうのを含んだ力を入れたものをこっちもつくろうと。

――800〜1000円って、物価が上がったといっても外食くらいの値段ですね。意外に高価!

瑞希:そうですね。5000円はしないですけど、コンビニおにぎりとかカロリーメイトよりは無駄に高いですね、意味もなく、おいしくもなく(笑)。

◆味に興味がないから“世界観”を楽しむ

――瑞希さんがこのようなディストピア飯を食べるようになったのは、2022年から。同年12月19日に、以下の画像をポストしたことがすべての始まりでした。

 約3年前に初登場した瑞希さん自作のディストピア飯。のり、ハッピーターン、ベビースターラーメンという献立になっており、今のディストピア飯と比較するとクオリティはまだまだです。ここから3年以上の月日をかけ、ディストピア感はドンドン増していったわけですね。

 というか、そもそもなんでディストピア飯を食べるようになったのでしょう?

瑞希:3年前、ディストピア飯にぴったりな金属プレートを買ったので、「これでつくってみよう!」と思い立ったのがきっかけです。あと、食の味に興味がない分、どうせ食べるなら別の要素で楽しむぐらいしか喜びがないので。

――別の要素?

瑞希:「おいしい」「あったかい」といった情報ではなく、「実際に自衛隊で使用されている」「数年間持つ」という実績のほうが興味深いというか。だから、自衛隊の基地に行って海軍カレーを食べたり、JAXAの博物館に行って宇宙食のレプリカを食べるノリに近いのかなという気がします。味を楽しめない僕は、どうせなら設定をつくったほうが楽しい食事になるんですね。

――なるほど……。ディストピア飯というと思い浮かぶのはエヴァンゲリオンですが、単純にそういった作品が好きというのもあるのでしょうか?

瑞希:そうですね、SF系も好きです。自衛隊の災害救助用としてご飯を炊くだけの専用車両を見るのも好きです。それを自分の生活に落とし込みたいというか。もしかしたら、コスプレに近い感覚かもしれません。アニメ再現飯、自衛隊再現飯的な感じだと思います。

――食事で“味”よりも“世界観”を楽しんでいるわけですね。

瑞希:だから、風邪をひいたときはお皿に風邪薬の錠剤を入れて、よりディストピア感を高めるということもしています。

◆奥様は夫のディストピア飯をどう思っている?

 今回の取材には妻のよるるさんも同席してくれました。彼女からも話を聞いてみましょう。

――瑞希さんがディストピア飯を食べることをどう思っていますか?

よるるさん:私が豪華な料理をおいしいと思うのと一緒で、彼にとってはそれが豪華な料理なのかな?

――じゃあ、「ちょっとやめなよ」というノリではなく、瑞希さんの食生活をご理解されているわけですね。

よるるさん:はい。

瑞希:でも、食べてみたいとかは一切言わないですね。

――ああ、共感はしない。

瑞希:はい、「人間の食べ物じゃない」みたいな顔はしています(笑)。止めはしないですけど。

――普段の生活のなかで「食の趣味が合わない」とか「一緒に食事が楽しめない」というジレンマはないですか?

瑞希:外食でどの店で食べるか選ぶとき、僕がそこまでテンションが上がりきらないという問題はあります。妻はお店選びからすごく楽しんでいるようで「お寿司行きたい」「焼肉行きたい」と言うんですけど、僕からするとなんでも栄養摂取だから一緒みたいな。

――栄養摂取(笑)。

◆外国人がタコを食べられない感覚に近い

――瑞希さんに好物はないんですか?

瑞希:決して舌がおかしいわけではなく、麺類は好きです。パスタとか。ただ、生々しいものはちょっと苦手かな。たとえば、昆虫食が苦手という人は多いですよね? それと同じで「生きている状態の魚を食べるのはグロい」「豚の丸焼きは豚の顔がそのままあるからグロい」という感覚が僕は人より敏感なんです。だから、じゃこやエビはちょっとキツいです。

そのストレスが一番かからないのが、ディストピア飯なんです。ただのブロックなら、ストレスフリーで食べられます。生き物の姿をしていない状態がうれしいというのはありますね。

――外国人がタコを食べられないみたいな感じでしょうか?

瑞希:そう、その感覚です。ただ、ディストピア飯に使えそうな素材を夫婦で探しても、妻が提案してくる食材がいつも的外れで……。たとえば、彼女はミンチとかを持ってくるから「ディストピアに生物性タンパク質は残っていなくて人工物しかないから、肉っぽさが残っているミンチは現存してないよ」と訂正しても、向こうは呆れ顔で「もう、どうでもいい」「知らんがな」みたいな反応なんです。

――でしょうね(笑)。そんな“世界観”を楽しむのが主目的のディストピア飯を食べる際、「おいしい」「おいしくない」の感情は生まれないんですか?

瑞希:あまりないです。そもそも、救難食糧のパッケージを見ると「比較的おいしい」という但し書きがあるんです。日本の食品業界で自社の食品のパッケージに「比較的おいしい」なんて書く食品があるのが驚きですよね(笑)。「そんな食品を食べられるんだ!」といううれしさがありますし、実際、本当においしくないです。粉っぽくて食べるのはしんどいですけど、それを僕は楽しんでいます。

――瑞希さんにとって、食事という行為そのものがしんどいのですか?

瑞希:お風呂が苦手な人っていますよね? そんな感じです。「お風呂キャンセル界隈」という言葉がありますけど、「食事キャンセル界隈」の予備軍になっているかもしれないです。

◆軍事国家、未来国家……“ディストピア観”の各国の料理をつくりたい

――最後に、瑞希さんの今後の目標は?

瑞希:1月にアップしたポストの反響が良かったので、僕もモチべーションが上がっているところです。

ディストピア飯と一口に言っても、いろいろあります。エヴァンゲリオン風のペースト的なもの、缶詰や軍用レーションっぽいミリタリー飯、点滴の血液袋のようなものに入った宇宙食、そして完全に駄菓子で構成されたもの。これら4つのコンセプトで、それぞれの究極的なものをつくろうと思っています。

そうして「世界各国の料理をつくれるようになった!」的な境地へ行こうかなと。中華料理やフランス料理などではなく、各国が軍事国家、未来国家、ディストピア国家という設定です。ディストピア観に基づいた各国の料理をつくりたいと考えています。

――中華や和風といったカテゴライズが、瑞希さんにとっては宇宙であったりエヴァであったりミリタリーであったりするわけですね。

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「おもしろいポストをする人だなあ」と思って話を聞いてみたら、裏にこんな壮大な思いやコンセプトがあるなんて想像もしなかったです。

 食が楽しめない人も、世の中にはたくさんいるでしょう。ならば、この食事方法も一つの選択肢?「味が楽しめないなら、設定をつくったほうが食事は楽しくなる」は、けだし名言です。

 補足情報ですが、瑞希さんがディストピア飯を食べているのは毎日ではなく、およそ月に1回のペースとのことでした。

<取材・文/寺西ジャジューカ>

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  • 災害時用に米軍のRation(非常食)を置いているが、食品保存料が大量に入っているからやめろと退役軍人に言われた。この記事を読んで、捨てようと思った。
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