成長力とスタミナ見せたヘデントール その背景には母父ステイゴールドの存在

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2025年05月05日 20:00  netkeiba

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天皇賞(春)を制覇したヘデントール(c)netkeiba
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返る天皇賞(春)

【Pick Up】ヘデントール:1着

 ルーラーシップ産駒はこの春、ソウルラッシュがドバイターフ(G1・芝1800m)でロマンチックウォリアーを破り、ヘデントールが天皇賞(春)を制覇しました。現在、総合種牡馬ランキングは第6位。2023年にリーディングサイアーとなったドゥラメンテと4分の3同血(父が同じで母同士が親仔)で、母が牝馬ながら年度代表馬に選出されたエアグルーヴという良血です。サンデーサイレンスを持たず、基本的にはスタミナ豊富なタイプで、産駒の芝平均勝ち距離は1857mと長めです。

 ちなみに、ルーラーシップを父に持つ菊花賞馬キセキ、トルコに渡って種牡馬となったメールドグラース(豪G1コーフィールドC)は、今年、初年度産駒がデビューする予定です。

 母コルコバードはオープンクラスまで出世した活躍馬。全5勝のうち3勝を2400mで挙げ、牝馬にしては珍しく芝3000mの阪神大賞典に出走しました。母の父ステイゴールドはオルフェーヴル、ゴールドシップ、フェノーメノの父で、芝3000m以上のGIを計6勝。産駒の芝平均勝ち距離が1940mという日本屈指の長距離型種牡馬でした。ヘデントールのスタミナと成長力に大きく関わっているのは間違いないでしょう。

 ヘデントールは芝3000m以上で3戦2勝(2着1回)。昨年の菊花賞はアーバンシックの2着でしたが、当時よりも成長したいまなら巻き返す可能性は十分あるでしょう。現4歳はダノンデサイル、レガレイラ、アーバンシック、ビザンチンドリームと、芝中長距離のタレントが豊富なので、これから先、国内外で見ごたえのある競馬を見ることができそうです。

◆血統で振り返るユニコーンS

【Pick Up】カナルビーグル:1着

 父リアルスティールは、国内外でGIを4勝した名牝ラヴズオンリーユーの全兄で、2代母はキングマンボの全妹モネヴァッシア、3代母は80年代の世界最強マイラーのミエスク、という良血です。現役時代にドバイターフを勝ちました。キズナ、ダノンキングリー、エイシンヒカリなどと同じく「ディープインパクト×ストームキャット」の組み合わせです。

 芝・ダートを問わず活躍馬を出せる種牡馬で、ダートの代表馬はフォーエバーヤング(サウジC、東京大賞典、ジャパンダートクラシック、全日本2歳優駿)、チカッパ(東京盃、北海道スプリントC)。芝の代表馬はレーベンスティール(セントライト記念、オールカマー、エプソムC)、オールパルフェ(デイリー杯2歳S)です。

 ストームキャットのクロスを持つリアルスティール産駒は成功しており、とくに牡馬はチカッパ、スナークラファエロといった優れたダートホースが出ています。

 同じく「ディープインパクト×ストームキャット」の組み合わせから誕生したキズナにおいても同様で、ストームキャットのクロスを持つ同産駒の牡馬にはナチュラルライズ、ハピ、モンブランミノルといったダート巧者が出ています。

 母ソブラドラインクは南米アルゼンチンの3歳牝馬チャンピオン。芝2000mのGIを2勝していますが、パワーを秘めた血統なので、ストームキャットのクロスが生じるリアルスティールとの配合ではダート向きの仔が出たということでしょう。ドゥラメンテとの間に誕生した4歳のドゥレイクパセージ(現2勝クラス)は芝馬です。

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