<フィギュアスケート:サイニチホールディングス杯>◇5日◇最終日◇埼玉アイスアリーナ◇シニア女子フリー
23年世界選手権代表の渡辺倫果(22=三和建装/法政大)が、ミラノ・コルティナオリンピック(五輪)を控える来季のフリーで2季前に演じた「JIN−仁−」に回帰する意向を示した。
GPシリーズ・スケートカナダ優勝、世界選手権初出場と飛躍を遂げたシーズンの楽曲をリメークする。今季のフリー「ブエノスアイレスのマリア」の継続も選択肢にあったというが「スケートカナダの映像を見返して、自分の中で頑張りきれるイメージが湧いた」と決断。振り付けは宮本賢二氏に依頼予定で「リニューアルする感じ」と笑みを浮かべた。
ショートプログラム(SP)も変更し、映画「モアナと伝説の海2」の音楽「Get Lost」を用いる。自身が映画を見た際に気に入ったといい、フリーと同じく宮本氏の振り付けで舞う。「すごくアップテンポの曲。歌詞は『人生、迷ってもいい。道は1つではない』というような深い意味がある。シーズンを戦う中でも励みになる曲だと思う」と説いた。
この日はフリーのみの試合に臨み、127・74点で優勝。冒頭のトリプルアクセル(3回転半)は転倒したが、3回転ルッツ−2回転半や2回転半−オイラー−3回転サルコーの連続ジャンプなどは危なげなく決めた。
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現在は大技4回転サルコーを習得中。3月から練習を始め「続けていれば確実に降りられるところまではきている」と手応えを示した。サルコーの出来次第では、もともと習得予定だった4回転ループへの再挑戦も視野に入れる。武器のトリプルアクセルの安定が最優先と強調した上で「今までのスケート人生より、今後のスケート人生のほうが短いのは事実。引退した時に後悔の残らないほうを選ぶとなると、4回転を跳びたいという思いがある」と力説。大技挑戦のリスクを理解しつつ、納得のいく練習を積んでいく。
日本女子の五輪出場枠は「3」。日本勢は実力が拮抗(きっこう)しており、激しい出場権争いが予想されるが、自分自身に集中する姿勢を大切にする。「波にのみ込まれず、自分のやるべきことを明確にして練習していかないといけない。そうしないと五輪で戦うイメージはできない」。初の五輪切符獲得へ、信じる道を進んでいく。【藤塚大輔】
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