貯まる人がつけている“究極の家計簿”、貯まらないのは「収入の差ではない」衝撃の事実

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2025年05月06日 09:10  週刊女性PRIME

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※写真はイメージです

 なぜ、まじめに家計簿をつけているのに、お金が貯まらないのか。

多くの人が『ジャンル別』に家計簿を整理します。食費、日用品、通信費─どれも一見、きちんと分類されているように見えますよね。でも、この方式には落とし穴があるんです

「必要か不要か」という視点

 そう話すのは漫画家で節約アドバイザーのなぎまゆさん。まず指摘するのは、「家計簿はつけて終わりでは意味がない」という点だ。

『ジャンル別』の家計簿では、何が無駄だったのかが見えにくいのです。例えば『食費』の中に、栄養をとるためのキャベツもあれば、なんとなく買ってしまった菓子パンもある。どちらも『食費』ですが、意味はまったく違います

 そこで登場するのが、「要・不要」で分ける家計管理の考え方。

「私自身、『必要か不要か』という視点で支出を見直して、『これって本当に必要?』と自問自答するようになりました。そうすると、自然と無駄な出費に気づけるようになりました」

 なぎさんは以前はなかなか貯金ができない体質だったという。

「つい大きな衝動買いをすることや、コーヒーや缶ジュースなど日々の細かい支出に気を配れず、財布にお金があれば後先考えずに使っていました」

 友人の影響でブランド品を買ったり、投資に失敗した経験もあったという。

 だが、「これは本当に自分に必要だったのか?」と問い直す習慣がついてから、家計は目に見えて変わっていったという。

“支出の意味”を見極めること

私は既存のジャンル別家計簿では文字の羅列から情報を読み取るのが苦手だったんです。『要・不要』別にすることで支出の傾向がひと目でわかるようになりました。この方法に行き着いたのは、片づけの経験からなんですが、家計簿においてもそれが応用できると気づいたんです

 無理にすべてを削る必要はない。ただ、「不要費」に気づくだけで、節約は自然と始まる、となぎさんは話す。

「『要・不要別の家計簿』をつけるとき、細かくは支出を固定費、生活費、贅沢(ぜいたく)費、不要費の4分類で記録していきます。そして、まずは固定費から見直していくと、費用対効果が高くなります。

 固定で出ていくお金は一度払うと決めるとその後は放置状態になるので、不要なものがないか真っ先にチェックする必要があります。最初の手間だけでその後大きく節約できるものが見つかる可能性が高いです」

 固定費の次は、不要な支出の見直し。

ここにあぶり出されたものから、なぜ買ってしまったのか、どうしたら今後買う行動をせずに済むのかを考え対策することで不要なものを買わずに済むようになります。

 例えば、手数料のかからない銀行にかえる、在庫を把握できるように片づける、服は購入時必ず試着するなど、改善するべきことが見えてきます」

 贅沢費に関しては、やればやるほど減らすこともできるが、ほどほどに。

生活や生命に直結する支出ではないため、頻度や量などを調整したい支出です。ただし、人生はお金を貯めることだけが目的ではないので、要・不要の判断が重要です。貯金優先と考えてしまい、友人からの誘いを断ってばかりで疎遠になってしまうのも寂しいですよね」

 生活費は最後に見直すべき項目。

生活や生命に直結する支出が多いため無理をすると続きにくいもの。心身の健康を損ねないよう、まずはできる範囲で節約しましょう

 この4つの分類はそのときどきの生活状況に合わせて「養育費」や「推し活費」などといった項目にしてもOK。

「節約や貯金に大切なのは習慣と継続です。節約のために何でもかんでも支出を削ることは推奨しませんし、これを削るべきと具体的なものはいえません。何が苦に感じるのかは人によって違うからです。無理のない範囲で節約できることはないか定期的に確認することが大切です」

クレジットカードは「便利」だからこそ危険でもある

 中高年世代においても、キャッシュレス決済は身近なものになった。しかし、そこにも落とし穴はある。

クレジットカードは『買った時』と『支払う時』にタイムラグがあります。お金の管理が苦手な人であれば、一度現金払いに戻すべきです

 どうしてもクレカを使う必要がある場合は、“使ったら現金で取り分けておく”ことをすすめている。

「封筒に『クレカ封筒』を作って、使った金額分の現金をすぐ分けておく。そして引き落とし日前に銀行に入れておくんです。そうすれば、口座のお金が足りなくなることもないし、支出に対する実感も持てます」

 クレジットカードの明細を見て「こんなに使ってたの?」と驚いた経験は、誰にでもあるだろう。

「前月の支払いに追われて困った経験があるならいったん使うのをやめてみるのも手。現金支払いのように『今使ったお金が今なくなる』というシンプルな状態にすることで家計管理の煩雑さが激減します」

 目に見えないお金だからこそ、使った実感を持つ工夫が必要なのだ。

貯まる人と貯まらない人の差は、「収入」ではない

「もっと稼げれば貯金できるのに」と考えている人も多いだろう。しかし、なぎさんはそれは間違いだという。

収入が増えても、無駄遣いが増えれば意味がありません。むしろ、収入に関係なく『使い方の判断力』がある人が、自然とお金を貯めていくんです

 レシートを見て“いらなかったもの”を定期的に確認して習慣化するのがおすすめ。

中高年世代の方は、ついつい惰性で続けてしまいがちな支出や保険の見直しを特におすすめします。また、私にもいえることですが、この先年齢とともに判断力が低下することも考慮して、複雑な契約や解約が必要なものは避けたほうがいいかもしれません

 節約は、苦しくつらいもの。そんなイメージを持っている人も多いだろう。しかし、なぎさんの考え方はまったく逆だ。

『いらない支出』に気づくことで、『本当に欲しいもの』が見えてくるんです。つまり、節約とは、『自分にとって必要な生活』を整える作業なんです

 節約は我慢や頑張ることではなく、気づくことだと話す。

「“このくらいなら大丈夫”“いつもの習慣だから”と、支出を見直す機会が少なくなっているのかもしれません。いま一度『要・不要』という視点で家計を見直してみてください。ただし、健康に関する支出は削らないようにしたいですね」

 特別な知識や技術がいらないこの方法。誰でも、今日から始められるので試してみたい。

お話を伺ったのは……なぎまゆさん●漫画家。元・片づけられない人間が「片づけに必要なのは几帳面になる“努力”ではなく、大ざっぱでも片づけが続く“工夫”である」という視点で片づけ漫画などを執筆。『物事を「いる・いらない」に分けただけで、貯金ゼロから「貯められる人」になりました』(KADOKAWA)を上梓。

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