退団を発表したA・アーノルド [写真]=Getty Images リヴァプールOBの元イングランド代表DFジェイミー・キャラガー氏が、今季限りでの退団を発表した同代表DFトレント・アレクサンダー・アーノルドに言及した。5日、イギリスメディア『スカイスポーツ』が伝えている。
現在26歳のA・アーノルドは、6歳の頃からリヴァプールのアカデミーに所属。2016年10月に18歳でプロデビューを飾り、超高精度のキックを武器に右サイドバックのレギュラーに定着した。公式戦通算352試合出場で23ゴール92アシストを記録し、2018−19シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)優勝や19−20シーズンや今シーズンのプレミアリーグ制覇など9つのタイトル獲得に貢献してきた。
そんなA・アーノルドは現行契約が2025年6月30日までと今季限りになっているため、去就には注目が集まっていたが、5日に契約満了に伴い、今シーズン終了をもって同クラブを退団することが正式に発表された。なお、これにより、同選手は今夏にフリーでレアル・マドリードに加入すると見られている。
20年間リヴァプールに在籍してきたA・アーノルドが退団を決断したことを受け、キャラガー氏は「彼は今、持っているリヴァプールサポーターからの愛情を失うことになるだろう。彼が彼らの仲間であるという感覚が薄れてしまうだろうからね」とサポーターからの愛情を犠牲にしてしまったと語りながら、次のように続けた。
「レアル・マドリードでプレーするためにそんな代償を払う必要はないと言う人もいるだろうし、『世界最大のクラブだ。レアル・マドリードでプレーすべきだ』と言う人もいるだろう」
「サポーターの気持ちはさておき、それは彼のキャリアであり、チャンスは一度きりだ。レアル・マドリードが世界最大のクラブであることは、リヴァプールファンでも誰も否定できないだろう。しかし、彼はレアル・マドリードでプレーすることで、それ(ファンからの愛情)を犠牲にしてしまったんだ」
また、契約が今季限りとなっていたオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクやエジプト代表FWモハメド・サラーとは契約延長に至ったものの、A・アーノルドをフリーで失ったことを懸念しているかと聞かれたキャラガー氏は「そんなことはない」と否定しつつ、同選手の退団に腹を立てているわけではないことを強調した。
「彼の価値に見合った7000万〜1億ポンド(約134〜191億円)の移籍金は欲しい。彼は他に類を見ないフットボーラーだからね。それから、彼の代わりを探さなければならないしね。でも、私はトレントに一部のファンほど腹を立ててはない。彼はフリーで来て、フリーで出て行くのだからね。彼はアカデミー出身で、クラブには何の負担もかけなかった」
「リヴァプールはトレント・アレクサンダー・アーノルドを契約終了前に売却するつもりはなかったし、レアル・マドリードも契約終了前にアレクサンダー・アーノルドを獲得するつもりはなかった」
「過去2、3年のレアル・マドリードの移籍履歴を見れば、彼らは選手や代理人と1、2年先を見据えて話し合い、『レアル・マドリードでプレーしたいなら、2、3年後に契約する』と言っているだろう。トレントの移籍がそうだったとは言わないけど、以前にも選手との間で起こっており、今回の状況でも起こっていた可能性がある」
「しかし、レアル・マドリードは巨額の移籍金を支払わずに選手がフリーで移籍してくるのを待っている。彼らは自分たちが世界最大のクラブであり、誰もが自分たちのためにプレーしたいと思っているだろう」