トランプ関税、懸念相次ぐ=米中が応酬、多国間貿易に試練―ADB総会、7日閉幕

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2025年05月06日 20:01  時事通信社

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加藤勝信財務相=3月
 【ミラノ時事】当地で開かれていたアジア開発銀行(ADB)の年次総会は4日間の会期を終え、7日閉幕する。総会では、日本と並び最大の出資国である米国が発動した高関税政策に対する懸念が広がった。報復関税をかけ合う米国と中国による批判の応酬となる場面もあり、加盟国からは多国間貿易体制の維持を求める意見が相次いだ。

 米中は100%超の関税をかけ合い、対立は激化している。総会で米国は、中国がADBの融資対象となっていることを問題視。「ADBの支援はより発展の遅れた国に重点を置く必要がある。中国を卒業させるため、具体的な措置を講じるべきだ」と主張した。これに対し中国は「今の国際情勢は非常に混乱し、関税や貿易戦争を仕掛けている国もある。この上ないリスクだ」と米国を批判した。

 トランプ米政権が公表した相互関税のうち、東南アジア諸国への適用関税は、ベトナムが46%、マレーシアが24%など軒並み高率だ。ベトナムも書面で「一部主要国による新たな関税政策は、特に発展途上国や新興国の貿易や投資に大きな影響を与える」と非難。マレーシアは、外的ショックから地域経済を保護するよう訴えた。

 一連の会議に日本からは加藤勝信財務相らが出席。会期中に開かれた日本、中国、韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の財務相・中央銀行総裁会議では「自由で開かれた多国間貿易体制」の重要性を再確認した。来年は日本が議長国を務めることも踏まえ、地域の協力を主導していく構え。加藤氏は5日、記者団の取材に応じ「日本がADBとともに多国間主義に協力していく決意を示し、プレゼンスを高めるいい機会となった」と語った。 

このニュースに関するつぶやき

  • トレンプの狙いは中国製のソーラーパネル。とはっきり言ってしまえよ。日本国民にとっても好機だぜ
    • イイネ!18
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