牧野フライスへのTOB撤回=買収対抗策で「損害の恐れ」―ニデック

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2025年05月08日 18:01  時事通信社

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時事通信社

ニデック(写真上)と牧野フライス製作所の看板
 ニデックは8日、工作機械大手の牧野フライス製作所に対して仕掛けているTOB(株式公開買い付け)を撤回すると発表した。牧野側が発動する方針の新株予約権を既存株主に無償で割り当てる買収対抗策が実施されれば、「損害が生じる恐れがある」と判断した。

 ニデックは対抗策の差し止め仮処分を求めて東京地裁に申し立てていたが、7日付で却下された。同社のTOB撤回を受け、友好的な買収者「ホワイトナイト(白馬の騎士)」を探していた牧野側の対応が今後の焦点になりそうだ。

 ニデックは昨年12月、牧野に事前に打診しないまま、1株1万1000円で今年4月4日からTOBを開始する買収計画を公表した。航空機や電気自動車向け部品の加工などに強みを持つ牧野を傘下に収め、工作機械事業を強化する狙いだった。

 突然の「同意なき買収」提案に対し、牧野は買収による相乗効果を問いただす質問状を送付するとともに、TOBを延期するよう繰り返し要望。だが、ニデックは予定通りTOBを開始した。

 牧野は、より有利な条件の競合案が出る可能性について、ニデックが株主に検討する時間を与えていないとして、TOBに反対を表明。新株予約権の割り当てで同社の持ち株比率を減らして買収を難しくさせる対抗策の発動を決定した。 

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