名古屋市役所を家宅捜索し、押収物を運び出す愛知県警の捜査員ら=9日午前、名古屋市中区 名古屋市発注の観光プロモーションを巡る汚職事件で、収賄容疑で逮捕された同市観光交流部元担当課長の大塚勝樹容疑者(62)が、贈賄容疑で逮捕された広告会社「ニック」(同市)役員の桑原清美容疑者(54)から現金を手渡しで受け取っていた疑いのあることが9日、捜査関係者への取材で分かった。
愛知県警は同日、両容疑者を送検。収賄容疑で、大塚容疑者が在籍していた同市役所の担当課を家宅捜索し、ニックとの契約に関する書類などを押収した。
捜査関係者によると、大塚容疑者は知人を介して桑原容疑者と知り合い、2022年8月からニックと随意契約を結ぶなど便宜を図るようになった。翌23年3月以降、私的飲食代などをニックに負担してもらうようになり、多くは領収書と引き換えに、桑原容疑者から手渡しで現金を受領していたという。
ニックが大塚容疑者の便宜供与によって受注した事業は計43件、計約1600万円に上った。中には同容疑者の口利きで下請け参入した件もあった。
大塚容疑者は、23年3月〜24年12月ごろ、観光プロモーションの業務委託でニックを選定するなどの便宜を図った謝礼に、飲食代など計約43万円を負担させた疑いが持たれている。

名古屋市役所を家宅捜索し、押収物を運び出す愛知県警の捜査員ら=9日午前、名古屋市中区

名古屋市役所に家宅捜索に入る愛知県警の捜査員ら=9日午前、名古屋市中区