
豊臣政権の最高峰「五大老」の一翼を担った戦国武将・宇喜多氏ゆかりの岡山県瀬戸内市。公益財団法人瀬戸内市歴史まちづくり財団(瀬戸内市牛窓町長浜)は、市内にある中世の城館跡をまとめたパンフレットを作った。五大老を務めた宇喜多秀家(1572〜1655年)の父・宇喜多直家(1529〜82年)が生まれたとされる砥石(といし)城跡(同市邑久町豊原、同町東谷)をはじめ、城館跡の地図や城主といった情報を盛り込んでおり、観光や市民の文化活動に役立ててもらう。
【写真】豊臣政権「五大老」を担った戦国武将、ゆかりの砥石城跡
岡山県教委の調査を基に戦国時代を中心に17カ所の城館跡を掲載。防衛拠点の曲輪(くるわ)、その周りの土塁や堀といった遺構の写真と地図、解説文を載せている。城を巡る攻防もつづっている。砥石城跡は標高100メートルの山頂に本丸、西側の尾根に出丸があり、それぞれ北側に曲輪が連続して築かれていると記している。
ほかに土塁や堀が良好な状態で残る堀城(同市長船町磯上)、直家の祖父で砥石城主の宇喜多能家(よしいえ)を襲ったと伝わる島村氏の居城・高取山城(同市邑久町東谷、岡山市東区長沼)なども紹介している。
A4変形判10ページで6千部製作。寒風陶芸会館(瀬戸内市牛窓町長浜)や市内の3公民館などで無料配布している。財団は「瀬戸内市は吉井川と山陽道がある交通・流通の要衝で、領地争奪戦の中で築かれた城館の跡から歴史ロマンを感じてほしい」としている。
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問い合わせは財団(0869―24―7788)。
(まいどなニュース/山陽新聞)