逮捕の元課長、賄賂要求か＝出張旅費二重取りも―名古屋市汚職

　名古屋市発注の観光プロモーション事業を巡る汚職事件で、収賄容疑で逮捕された同市観光交流部元担当課長の大塚勝樹容疑者（６２）が、贈賄容疑で逮捕された広告会社「ニック」（同市）役員の桑原清美容疑者（５４）にたびたび賄賂を要求していた疑いのあることが１０日、捜査関係者への取材で分かった。

　経費精算済みの出張旅費の領収書を示してニックに負担させ、二重取りしていたケースもあったという。愛知県警は、大塚容疑者が便宜供与を理由に賄賂を繰り返し求めていたとみて調べている。

　大塚容疑者は２０２３年３月〜２４年１２月ごろ、観光プロモーションの業務委託でニックを選定するなどの便宜を図った謝礼に、飲食代など計約４３万円を同社に負担させた疑いが持たれている。

　捜査関係者によると、賄賂の授受は十数回に及び、いずれも大塚容疑者が飲食代やタクシー代などの名目で桑原容疑者に要求。出張した際のホテル代などの必要経費を市で精算する一方、領収書を示してニックの経費からも支出するよう求めたこともあった。