米企業、高関税で値上げ検討=業績予想の下方修正も

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2025年05月10日 14:01  時事通信社

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時事通信社

店舗に並ぶ中国などで製造された米玩具大手マテルの商品=9日、米ニューヨーク
 【ニューヨーク時事】トランプ米大統領の高関税政策を受け、米企業の間で値上げを検討したり、コスト増や需要減退を見込んで業績予想を下方修正したりする動きが出ている。米国と最大の貿易相手国である中国などとの貿易摩擦が長期化すれば、関税上昇分の価格への転嫁が本格化する恐れがある。

 米国で販売される多くの玩具は中国から輸入されている。バービー人形などを手掛ける玩具大手マテルは5日、関税を踏まえ、必要に応じて値上げする方針を示した。同社は声明で「サプライチェーン(供給網)の多様化を加速し、中国製品への依存をさらに低下させる」と強調。一方、消費動向の予測が困難として2025年通期の業績予想を取り下げた。

 家庭用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は4月下旬、25年6月期通期の業績見通しを下方修正した。モーラー最高経営責任者(CEO)は米CNBCテレビに「関税は本来インフレを引き起こす」と指摘し、7月以降に値上げを行う可能性が高いと語った。

 飲料大手ペプシコやコカ・コーラも高関税の脅威に直面する。缶飲料を販売する両社は、米政権が導入したアルミニウムへの追加関税の影響などで原材料コストが増加する可能性がある。ペプシコのラグアルタCEOは「多くの市場で消費は低迷しており、先行きも不透明だ」と危機感をあらわにした。

 100%を超える高関税をかけ合う米国と中国は、5月10、11両日にスイスで閣僚級協議を行う。ただ、双方とも強硬姿勢を続けてきただけに、どこまで歩み寄れるかは見通せない。米国は中国から衣料品や家具、食器なども大量に輸入してきた。日系証券筋は「対立が続けば値上げは時間の問題だ。関税を理由に人員を削減する企業も出てくるだろう」と分析した。 

このニュースに関するつぶやき

  • 米国へ輸出する国へのダメージよりも、先に自国の輸入業者や消費者を困らせているな、トランプの高関税政策。
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