フライブルク所属の堂安律(左)、キール所属の町野修斗(右)が直接対決 [写真]=Getty Images ブンデスリーガ第33節が10日に行われ、ホルシュタイン・キールとフライブルクが対戦した。
今季のブンデスリーガも残り2試合となった。既にバイエルンがマイスターシャーレを掲げることは決まっているものの、今節対戦する両クラブにとっては、来季を左右する重要な2連戦が待っている。
まずはホームのホルシュタイン・キール。前節終了時点での成績は6勝7分19敗の勝ち点「25」で、17位に沈んでいる。残留圏内の15位ザンクト・パウリとは勝ち点が「6」離れており、得失点差でも「16」の開きがあることから、ここに食い込むことは現実的とは呼べない。一方で、17位と18位のクラブは自動降格を強いられるのに対し、16位のクラブは2部クラブとの昇降格プレーオフに臨むこととなる。16位のハイデンハイムとは勝ち点差がわずかに「1」。直近3試合を2勝1分と無敗で駆け抜けているだけでなく、現在はブンデスリーガ1部で初の2連勝中。残る2試合で連勝の数を伸ばすことができれば、プレーオフ圏内への浮上は決して不可能ではない。
対するアウェイのフライブルクは、熾烈なチャンピオンズリーグ(CL)出場権争いに身を置いている。前節終了時点での成績は15勝7分10敗で、勝ち点「52」を獲得。現時点ではCL出場圏内に身を置いているが、5位のドルトムントとは勝ち点差が「1」、6位のライプツィヒとは勝ち点差「2」、7位のマインツとは勝ち点差「4」、8位のブレーメンとは勝ち点差が「5」という状況。1試合でも勝ち点を落とすことがあれば、下のクラブに食われる可能性が高いだけに、残る2試合は是が非でも連勝を掴みたい。
そんな両者のゲームに、ホルシュタイン・キール所属の町野修斗、フライブルク所属の堂安律は共に先発出場。試合は序盤の3分、ボックス内でヴィンチェンツォ・グリフォからのパスを受けた堂安が、前を向いて左足を振り抜くも、シュートはわずかにゴール右へ外れる。
続く24分には、堂安からのスルーパスで右サイドを抜け出したグリフォがクロスボールを送ると、マティアス・ギンターがボレーシュートを放ったが、ここはクロスバーに直撃。ここからホルシュタイン・キールがカウンターへ転じ、町野が左サイドをドリブルで前進。中央へ持ち出してスルーパスを送ると、抜け出したラッセ・ローゼンブームがダイレクトで押し込み、ホームチームが先手を取った。
だが、フライブルクもビハインドのまま前半を終わらせることはない。失点直後の26分、グリフォがボックス右から狙ったシュートはポストに嫌われ、36分にはグリフォの蹴った左コーナーキックから枠を捉えたヘディングシュートもあったが、ここは町野がゴールライン上でクリア。フライブルクは怒涛の攻めを結実できない時間が続いたが、前半アディショナルタイムには遂にこじ開ける。フィリップ・ラインハートがロングスローを投げ込み、ゴール前で混戦が生まれると、最後はヨハン・マンザンビが押し込む。試合を振り出しに戻して前半を終えた。
後半に入ると、58分にフライブルクが逆転に成功。ボックス左の位置で顔を上げたグリフォが右足でクロスボールを上げると、ファーサイドにうまく入ったルーカス・ヘーラーがヘディングシュートを沈めた。
試合はこのままタイムアップ。他会場では16位のハイデンハイムがウニオン・ベルリンを3−0で破ったため、4試合ぶりの黒星を喫したホルシュタイン・キールは、わずか1年で再び2部に戻ることが決まってしまった。一方のフライブルクは、次節を勝利することで、他会場の結果を問わずにクラブ史上初のCL出場を決められる。同時に、今節ドルトムントがレヴァークーゼンに敗れれば、最終節を待たずにCL行きが確定する。なお、町野はフル出場を果たし、堂安は後半アディショナルタイムに途中交代した。
次節が今季のブンデスリーガは最終節。17日に一斉開催され、ホルシュタイン・キールは敵地でドルトムントと、フライブルクはホームでフランクフルトと、それぞれ対戦する。
【スコア】
ホルシュタイン・キール 1−2 フライブルク
【得点者】
1−0 24分 ラッセ・ローゼンブーム(ホルシュタイン・キール)
1−1 45+2分 ヨハン・マンザンビ(フライブルク)
1−2 58分 ルーカス・ヘーラー(フライブルク)