NHKマイルCに出走予定のマジックサンズ(撮影:山中博喜) 3歳マイル王決定戦。向正面からスタートし、最初のコーナーまで600m弱あって最後の直線は約500m。マイル戦に求められるものはスピードと瞬発力。コーナー角度がゆるいワンターンコースだけに上がり3ハロンの最速馬は過去10年[1-5-1-4]。この数字からもスピード能力だけではなく瞬発力が求められるレースであることがわかる。
◎マジックサンズは札幌2歳S優勝馬。この時は開催最終週での重馬場だったにもかかわらず前半3ハロン36.3秒、半マイル通過48.8秒というタフな流れで最後の2ハロンが12.2秒、12.4秒。一度もラップが緩まなかったこと、2着アルマヴェローチェが桜花賞2着で、3着ファイアンクランツは青葉賞2着だったことからレベルの高い1戦だったことがわかる。ホープフルSは折り合いを欠いて惨敗。前走の皐月賞は大外枠に泣かされたがメンバー最速の末脚を記録した。東京マイルは持ち味をいかせる舞台だ。
〇アドマイヤズームは朝日杯FS優勝馬。途中でペースが緩み瞬発力争いとなるレースでの2番手追走とはいえ2着ミュージアムマイル、3着ランスオブカオスを問題にしなかった。前走のニュージーランドTは初の関東遠征に加えてデビュー以来の最高馬体重での出走となったが、正攻法の競馬。最後の直線で1度は先頭に立ったものの勝ち馬の決め手に屈してしまった。しかし悲観する内容ではなく、巻き返しに期待したい。
▲サトノカルナバルは東京競馬場芝1400m新馬戦優勝馬で、函館2歳S優勝馬。デビュー戦は好スタートを切ったものの中団まで下げ、4角手前から進出。残り400m付近で先頭に並びかけると最後は11.1秒、11.6秒で後続を突き放した。中2週での函館輸送で距離短縮となった函館2歳Sを完勝したあとは米国のブリーダーズCに参戦。前走の共同通信杯は伸びきれなかったが、帰国初戦など同情すべき点はたくさんあった。ここは、真価を問われる1戦だ。
△アルテヴェローチェはサウジアラビアRC優勝馬。札幌競馬場芝1500mのデビュー戦も強かった。朝日杯FSは前残りのペースの中で1番人気を裏切ったが、シンザン記念2着、チャーチルダウンズC2着と堅実だ。東京競馬場は重賞タイトルを勝ち取った相性の良い競馬場だけに侮れない存在だ。
ほかでは京王杯2歳Sに勝ってファルコンSで1番人気の支持を受けた△パンジャタワーと、ファルコンSで内容ある2着だった△モンドデラモーレ。最後に桜花賞4着△マピュースの名前も上げておきたい。