赤外線リモコンで家電製品をオン/オフできるオーム電機のリモートプラグ新モデル「OCR-RCT01W」を試してみた

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2025年05月14日 17:11  ITmedia PC USER

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オーム電機の新型リモートプラグ「OCR-RCT01W」。実売価格は2280円だ

 オーム電機の「OCR-RCT01W」は、赤外線リモコンを用いて家電製品を根元からオン/オフできるようにするリモートプラグの新製品だ。ロングセラーとなっていた同社の「OCR-05W」の後継モデルで、外観も一新されている。実機を購入したので、従来モデルとの違いを見ていこう。


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●Wi-Fiスマートプラグにはない赤外線タイプの利点とは?


 一般的に、家電製品の電源をリモートでオン/オフするための機器としては、スマートプラグがよく知られている。スマートフォンが1つあれば簡単にオン/オフできるのが利点だが、それゆえ家族での共用が難しく、専用アプリを用いることから他社のスマートホーム製品との連携が難しい場合がある。また、そもそも自宅内にWi-Fiがないと利用できない。


 これに対し、赤外線タイプのリモコンプラグは電源をオン/オフするのに付属の赤外線リモコンを用いる。スマホがなくても使えるので家族で共用しやすく、Wi-Fiがあれば赤外線リモコンの信号を学習させることで市販のスマートリモコンとも簡単に連携させられるなど、汎用(はんよう)性はWi-Fiのスマートプラグよりも高い。


 その一方で、Wi-Fiさえつながっていれば室外からでも操作できるスマートプラグと異なり、赤外線で操作する本製品は指向性があるため、見通しのよい場所に設置する必要がある。他にも、同一のモデルを1つの部屋に複数設置すると、1つのリモコン操作で同時に反応してしまうので、同じモデルは一部屋に1台しか設置できない制限には要注意だ。


●従来モデルからデザイン変更 付属リモコンは握りやすく


 では実機を見ていこう。本製品は受信部が付いた本体と、そこにつないだ家電製品の電源をオン/オフするための赤外線リモコンとで構成される。これは従来モデル(OCR-05W)と同じだ。


 実際に従来モデルと比べても、本体側のサイズ感はほとんど変わっておらず、単純なデザイン変更とみてよさそうだ。一方でリモコンについては、従来はボタン電池を使った薄型だったのが、2本の単4形乾電池を使った中型のリモコンへと改められている。握りやすさが向上したのはもちろん、電池の入手性も良くなったのはプラスと言っていいだろう。


●使い勝手は従来モデルと同様 スマートリモコンでの利用も可能


 利用にあたっては、本体を壁面コンセントに差し込み、さらに本体正面のコンセントに家電製品のプラグを接続するだけだ。後は付属のリモコンを操作すれば、オンとオフが切り替えられる。できる操作はオンとオフだけで、タイマーなどの付加機能は省かれている。


 対応製品は換気扇や電気スタンドなど、単純にオン/オフをしても問題がない家電製品のみだ。「ドライヤーや暖房器具などの電熱器具」「PCなどの精密機器」は利用できないという制限は、一般的なスマートプラグと同様となる。最大800Wまでという容量についても注意したい部分だ。


 使い勝手に関しては、従来モデルと特に変わらない。リモコンが大きくなり、持ちやすくなったくらいで操作方法も一緒だ。リモコンの感度などのスペックに違いがあるかは不明だが、ざっと試用した限りでは実用レベルでの違いは感じなかった。


 細かい相違点としては、受信部の奥にある赤いLEDが、従来モデルでは「オン」の時に点灯する仕様だったのが、本製品は「オフ」の時に点灯する仕様に改められたことが挙げられる。通電確認の意味合いがあることを考えると今回の仕様が正しいが、従来モデルに慣れていたユーザーは若干戸惑うかもしれない。


 なお、スマートリモコンで利用する場合は、本製品のオン/オフ2つのボタンを赤外線リモコンとして学習させれば良い。本製品はスマートリモコン各社のデータベースには登録されていないことの方が多いはずで、今回試したスマートリモコン「Nature Remo」でも検出は行えなかったが、ボタンはオンとオフの2つだけなので、手動で学習させるにしても手間はそれほどかからない。


●ニッチすぎる「惜しいポイント」はあるが実用性は高い


 さて、そんな本製品だが、実際に使ってみた限り、ほとんどのユーザーには関係ない部分で非常に惜しいポイントが1つある。それは赤外線信号の種類が、従来モデルと同一であることだ。


 赤外線リモコンを採用した家電製品は、同じ部屋の中で同一製品を2台設置すると、片方のリモコンを使った時点で両方が反応してしまう。これを避けるため、照明器具のように同じ部屋に複数を設置する可能性がある家電製品の中には、混信を防ぐチャンネル切り替え機能を備えた製品もあるほどだ。


 本製品は、こうしたチャンネルを切り替える機能はないため、同じ部屋に設置できるのは1台に限定される。 これだけならば「まあ仕方ないか」で済むのだが、本製品のリモコン信号は従来モデルと同じで、従来モデルと同じ部屋に設置して操作しようとすると、本製品だけでなく従来モデルも同時に反応してしまう。


 チャンネル切り替え機能がなくても、従来モデルと異なる信号が使われていれば、従来モデルと本製品を同じ部屋で併用できる裏ワザがあり得たはずで、そこはやや残念だ。今回の新モデル登場の報を聞いて筆者がまず思ったのは、「これで同一室内での併用が可能になるかも」だったくらいなので、実質的に選択肢が増えなかったのは少々痛い。


 以上、ニッチな部分では上記のようにやや不満点もあるが、製品としては特に問題点もなく、実用性の高い製品だ。機能や性能は何ら変わっていないように見えるので、リモコンの刷新に伴ってボディーデザインも改めたリニューアルモデルという解釈になりそうだが、


 ややクセのあった従来のデザインが廃止され、かつ小さすぎて何かと行方不明になりがちだったリモコンが改善されたのも、個人的にはプラスと考える。


 現時点では従来モデルは併売されているが、製品としての位置付けは同じなため、今後は従来モデルがなくなり、今回のモデルに一本化されていくロードマップだと予想される。実売価格は2千円前後とほぼ変わらないが、従来モデルはこの1年ほど供給が安定していなかったので、モデルチェンジによってそれらが改善されることも期待したい。



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