わがままも非常識も「売れれば正義」　水商売の世界…店もクビにできず、勘違いするキャストも【元セクシー女優が語る】

キャバクラやホストクラブなどの水商売は、「それが常識？」と疑うようなことが山ほどある特殊な商売です。ルール無用は言い過ぎかもしれませんが、最低限の規則さえ守ればあとは自由。時にタブーが正解へと変わる「良い意味で柔軟、悪い意味でユルい業界」なのは確かです。

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一般的なサラリーマンなどの働き方には存在しない考えがてんこもりだからこそ、歓楽街は面白くて怖い二面性がある場所といえます。水商売にやり方は人により店によりそれぞれで、明確な答えが存在しないため、法を犯さず（笑）きちんと売り上げさえ作ればそれが“正解”になります。

よくSNSで正しい接客や間違ったLINEの方法といった指南が流れてきても、あまりアテにするべきではないでしょう。なぜなら失礼で馴れ馴れしいキャストや俺様、炎上系などのアウトなキャラクターを貫き通しても人気があり売れている子もいるからです。

しかし同時に“通常”と定義される感覚を失いやすいのが怖い部分で、染まり切ると時に取り返しがつかない事態を招く可能性もあります。ではどんな取り返しのつかない事態が発生するのでしょうか。

もっとも多く見られるケースは、人気キャストがわがままになっていくことです。夜職は売れっ子＝謙虚と思われがちですが、実際は人それぞれ。「自分が一番＆正義」のように数字を伸ばすほど傲慢になるキャストは少なくはありません。貢献している以上、店もクビにはできないとなれば、勘違いした末に暴走してしまうのはよくある話でしょう。

このタイプのキャストを野放しにし続けると、時に度が過ぎてキャスト仲間に暴力を加えるようになるなどの問題行動を起こすようになります。それでも受け入れるのが夜職の優しさであり、同時に狂った要素ではないでしょうか。

常識外れを“常識”と捉えるクセがつけば、一般社会への復帰は相当困難を極めます。とはいっても歓楽街の住民としては正しい在り方でもあるので、一般社会への復帰を考えなければその人にとって天国にもなり得るわけです。

また、歓楽街の面白さと怖さは、とにかく紙一重であることです。例えば朝起きれなかったり仕事上の指示を守れなくて昼の世界では突っぱねられた人が、ありのままで肯定される場でもあります。もし夜職に憧れを感じている人は、この夜の魔力に飲まれず独特の業界で長く生き抜いてほしいものです。

◆たかなし亜妖（たかなし・あや）元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。

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