名作ホラーゲームといえば、どんなタイトルを思い出しますか? ハサミを持った殺人鬼に追い回される「
クロックタワー」や、大人気アドベンチャー「
バイオハザード」「
サイレントヒル」「
SIREN」シリーズ。小説を読む感覚で進めるサウンドノベルならば、「
かまいたちの夜」や「
弟切草」、「
学校であった怖い話」などが有名です。ファミコン世代であれば「
スウィートホーム」や、「
ファミコン探偵倶楽部PartII うしろに立つ少女」といった作品に、震え上がった人も多いはず。
多数の名作を抱えるホラーゲーム界ですが、その中でも「伝説」と呼ばれ、マニアから強い支持を受けているインディーズゲームをご存じでしょうか。1996年の「第2回アスキーエンタテインメント ソフトウェアコンテスト」にて最優秀賞を受賞し、500万円もの賞金を獲得した「RPGツクール Dante98」作品、「
コープスパーティー(以下:コープス)」です。
コープス=死体……。訳しただけでゾクッとしてしまいそうな同作品は、学校を舞台にしたホラー・サスペンス。異世界の小学校に監禁されてしまった男女5人が、協力し合いながら脱出を試みる探索型ゲームです。なんと、生き残った人物によりラストが変わるという、衝撃のマルチエンディング方式を採用。想像を絶するようなストーリーばかりで、ホラー好きを唸らせました。
それから約10年後の2006年にケータイ版を無料公開し、再び注目を集めた「コープス」。2007年には、そのケータイ版をさらに「強化」したPCリメイク版「コープスパーティーブラッドカバー」をリリースします。2008年からは、少年誌「ガンガンパワード」にて漫画版「コープスパーティー BloodCovered」の連載が始まり(現在は「ガンガンJOKER」に移籍)、そして2009年には豪華声優陣によるドラマCDも登場。ゆっくりですが着実に、クロスメディア展開が進められているのです。
PCリメイク版「コープスパーティーブラッドカバー」の画面。左・主人公、右・萌えキャラ的存在の妹。 | | |
| | 「誰もいません・・」静けさ漂う校舎を探索中。 | 壁には血がベットリ……。 |
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「伝説」と呼ばれるタイトルとはいえ、10年以上も昔のインディーズゲームが盛り上がるのは異例のこと。なぜこの作品に再度スポットライトが当たったのでしょうか。原作・監修を務める、チームグリグリの祁答院慎(けどういんまこと)さんにお聞きしました。
●初代コープスから約10年後にケータイ版を作成した理由、そしてPCリメイク版を発売した経緯などをお聞かせ下さい。
リメイク企画は紆余曲折あり、恐怖描写などもろもろの事情で実現出来ずにいました。しかし、初代コープス製作当時からお世話になっていた、(株)エンターブレインのデジタルファミ通編集部様よりお話をいただき、連載形式に特化したケータイ版を製作するに至りました。
更に、対応キャリアが限定されていたので「遊べない」というお声をユーザーから多くいただきました。たくさんの方に遊んでいただきたいと考え、大きなキャラ絵やボイス、追加シナリオなどを盛り込み、演出をグレードアップさせたカバー版をPCに移植。チームグリグリより同人ソフトとして発売しました。
●漫画化、ドラマCD化など、積極的なメディア展開を行うに至ったきっかけはありますか?
PCリメイク版を遊んでいただいた(株)スクウェア・エニックスの担当編集者様から、光栄にもコミカライズのお話をいただきました。その後も、このPCリメイク版をきっかけに色々な方とお会いさせていただく機会があり、ドラマCDやイメージソングも作っていただける事になりました。
●声優・
杉田智和さんが「ナレーションCM」を作成したり、「かってにコープス祭り」を開催したりと、なぜか大プッシュしていますが……。
感激しました。杉田さんは、声優の
中村悠一さんから紹介されて初代を遊んで下さったそうです。その後ケータイ版、PC版とお知りになり、ご連絡を頂けたのがきっかけで、会ってお話をさせていただく機会を持てるようになりました。「ふにゅう!」とか、本当に遊び込んでいないと出ないようなネタで話して下さるのでとても嬉しいです(※杉田さんは、PCリメイク版の豪華ver.「リミテッドエディション」や、ドラマCDに参加しています)。
| | 2009年4月に1巻が発売された、漫画版「コープス」の表紙。(C)2008 TeamGrisGris /ALL RIGHTS RESERVED. (c) 2009 Toshimi Shinomiya | ドラマCDには、下野紘、佐藤利奈、中村悠一、釘宮理恵、杉田智和ら豪華声優陣が出演。 |
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インディーズゲームのホラーやサスペンスといえば、実写映画化にまで至った爆発的ヒット作品「
ひぐらしのなく頃に」が有名ですが、それ以前に登場し、注目を集めていた「コープスパーティー」。初代「RPGツクール Dante98」版とケータイ版は、現在も無料でプレイ可能ですが、更なる恐怖を体感したい方は、PCリメイク版をどうぞ。15禁に指定されるほど「ブラッドカバー」されています。ブラッドカバー、血でカバー!? は、はわわ……心臓の悪い人、ホラーが苦手な人は、決して手を出しませんように……。(水流/mixiニューススタッフ)
■関連サイト
「チームグリグリ」公式サイト:
http://www.gris2.com/
「コープスパーティー」公式サイト:
http://www.gris2.com/~corpse/
「ガンガンJOKER」公式サイト:
http://www.square-enix.com/jp/magazine/joker
ドラマCD「コープスパーティー ブラッドカバー」(試聴あり):
http://www.animate.tv/pv/detail.php?id=pcd081225i
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