
みなさんは社会人になってから習い事に通ったことがあるでしょうか。フリーライターとして活動しながらSNSにイラストなどを投稿するよざ ひかるさんのコミックエッセイ『突然絵にハマって30歳から絵画教室に行ってみた話』は文字通り、ひょんなことから絵画教室に通い始める様子が描かれた一作です。以前X(旧Twitter)に投稿されると、3.7万の「いいね」が寄せられています。
世の中がコロナ禍で大変ななか、よざさんは仕事がリモートに切り替わったことで暇な時間が増えたそう。すると、同じく暇な同僚から「遠隔クロッキー会やらへん?」と誘われます。クロッキーとは、決められて時間内に写真を見ながら絵を描く練習方法のことです。
言われるがまま参加して絵を描いてみるも、元美大生の周りと比べて圧倒的な差を感じるよざさん。それでも「絵って楽しい」と思い、3カ月もの間、毎日絵の練習に励むと見違えるほど上達。よざさんは「絵の才能なんて全然ないと思ってたのに」と言葉をもらしたところ、同僚は「絵は練習したら誰でも上手になるよ」と言います。そして、同僚の勧めもあって絵画教室に通うことになるのでした。
絵画教室の初日、裸になったモデルさんのデッサンが始まります。先生にデッサンスケールでパーツを測りながら描くように言われたものの、思うようにまったく描けないよざさん。先生に見てもらうと、「『正しく見る練習』がとても大事」「しっかり測って描く」といったアドバイスが。その後も苦しみながら先生の指導についていき、50回も心が折れたのちに初めての「キャンバス絵」が完成します。
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さらに通い続けて2年、何枚もの絵を仕上げては徐々に成長するよざさん。自身を振り返って「うまくなること自体 びっくりしました」「絵の才能がないから 何をしたってダメなのかと」と話すと、先生は「いや、絵の基礎は暗記ですよ 算数と同じ」と応えました。そして、絵画教室に通ったことで「知らない自分」になれたよざさんは、“もしかしたら人生って意外となんでもやっちゃっていいのかも”と思うのでした。
読者からは「触発された…私も何か習おうかな」「何か始めるのに遅いなんてないよね」などの反響が。そこで作者のよざさんに、同作を描いたきっかけについて話を聞きました。
―同作を描いたきっかけを教えてください。
コロナ後、絵画教室だけではなく合計6つの習い事をかけもちした時期があり、その話を一冊の同人誌か何かにしようと考えていました。絵画教室はその第一弾です。
―現在も絵画教室には通われているのでしょうか?
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出産や転職などいろんなきっかけがあり、今はやめています。が、いつか復活したいなとずっと思っています。
―個人的に気になったことなのですが、絵は基本的な知識や積み重ねがないからこそのセンスで描いたものが評価されることもあるなかで、専門的に勉強することで、そういったセンスが損なわれるという考え方もあると思います。初めて絵画教室に通ったよざさんのご意見をお聞かせください。
知識がない方が味?が出やすいこともあるようなのですが、自分は絵がうまくなっていく過程がおもしろかったので、絵画教室に通うことを決めました。たしかに基礎を習うので、以前書いた絵とは変わってしまうのですが、絵画教室に通って生徒で同じモデルさんを描いても全員全く違う個性的な絵ができあがっていくのをみたので、逆に自分の個性?絵の雰囲気?からは逃げられないのかも…と思いました。でも習うにせよ、習わないにせよ「楽しいことが一番だなぁ」というのは強く感じたことです。
―読者にメッセージをお願いいたします。
もし何か習おうか悩んでる方がいたら、おそらく体験授業など初心者向けの見学がどの教室にもあると思うので、気軽にぜひ行ってみてください!思ったより敷居が低くて楽しいです。
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(海川 まこと/漫画収集家)
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