
短期離職はできるだけ避けたいが、求人内容と実状があまりにも違いすぎて即行退職するケースはある。50代の女性は、文具・雑貨店の販売スタッフを一週間で辞めたときのことを投稿した。
「販売スタッフ募集」というパート求人に応募した女性は、業種は違うがこれまでに接客販売の経験もあり、「売上貢献や接客スキルに自信はあった」と理由を説明する。面接の際にも販売スタッフ経験のキャリアが評価されて入社した。しかし、いざ働き始めると、業務内容は聞いていたものとまったく違っていた。(文:西荻西子)
「私の仕事を全て引き継げる?」入社10年の先輩の仕事を2週間で……
その文具・雑貨店は、書店の中にあるテナントの一つだった。女性はそこで販売スタッフとして働くはずだったのだが、勤務初日になって、接客やレジ業務は書店側の担当だと知らされた。では何が女性の業務だったかというと、「8割以上が中級以上のPCスキル」を求められる作業だった。具体的には、Excelを使用して、
「発注、仕入れ、値付け作業、伝票整理、業務管理などで、(中略)接客はほぼなかった」
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という。以前、女性が働いていた勤務先では、接客販売とは別に事務の部署があったようだ。そのためパソコン初心者で事務未経験の女性は仕事についていけなかった。
女性に仕事を教えたのはこの道10年のベテランだったが、家庭の事情での退職が決まっていた。短期間の引継ぎに焦りがあったのかもしれない。その先輩は研修2日目で、女性にこう言った。
「PC使って仕事したことある?」
「私が辞めるまで残り2週間だが、それまでに私の仕事を全て引き継げる?」
「このままじゃ継続して雇用は無理だ」
「まったく出来ていない件は(本社の)上司に伝える」
「来月は仕事を辞めてもらうかもしれない」
その結果、「パワハラじみた事を延々と言われ続けたせいで心が折れ、精神的にもきつくなり……」という女性は、「私がしたい仕事はこんな仕事ではなかった」と1週間で退職した。
「面接時に言われた業務と実際の業務がまったく違っていた事には憤りしかない」
思わぬ早期離職となったが「自分のやりたい仕事と乖離していたため、辞めて良かったとは思う」という。しかし、
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「面接時に言われた業務と実際の業務がまったく違っていたことには憤りしかない。(中略)事務仕事がメインであることは最初に伝えていてほしかった。向いてないと思えた時点で、面接後に断わりを入れることで、前職を退職することもなかったのに」
と後悔もしている。
パートでは珍しいが、面接時に「ダブルワーク禁止だから、前職は必ず辞めてきてくれ」と言われており、採用が決まるとすぐに退職したという経緯があるようだ。その際、「前職で保持していた2週間以上の有給消化期間を全て捨ててしまった」ことも悔やんでいる。
「おかげで現在は無職で、前職もパートだったため雇用保険も無い状態で、収入がなくすぐにでも次を、極端な話、水商売か風俗でも、探さなければ生活に困窮する」
と不安を吐露していた。
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※キャリコネニュースでは引き続きアンケート「仕事を即行でやめた人」を実施しています。回答ページはこちら https://questant.jp/q/HF78WM9H