黙とうする長野県警中野署員ら=23日、同県中野市 長野県中野市で2023年5月、住民女性と警察官の計4人が殺害された事件は25日、発生から2年となる。殺人などの罪に問われた青木政憲被告(33)の裁判は、長野地裁で争点の絞り込みなどを行う公判前整理手続きが進められており、弁護人によると、初公判は早ければ9月ごろの見通し。刑事責任能力の有無と量刑が主な争点になるとみられる。
犠牲となった警察官2人が所属していた中野署では23日夕、署員約30人が黙とうをささげた。橋本和也署長は「亡くなられた方の無念、ご遺族の悲しい気持ちをしっかりと受け止めて、治安維持に最善を尽くしていきましょう」と訓示した。
事件は23年5月25日夕に発生。青木被告は散歩中だった近所に住む竹内靖子さん=当時(70)=と村上幸枝さん=同(66)=をナイフで殺害。通報を受けて駆け付けた玉井良樹警視=同(46)=と池内卓夫警部=同(61)、いずれも2階級特進=を猟銃とナイフで襲って殺害したとされる。
池内警部が所属していた県警音楽隊の元隊長で、指揮者を務めていた丸山栄三さん(74)は自身が定年を迎えた際に、子どもたちの演奏指導に役立ててほしいと池内さんから渡されたドラムスティックを今でも大切に保管している。
事件から2年がたってもテレビなどからドラムの音が聞こえると、池内さんの音を思い出すといい、「生きていたら一緒に音楽を創れたのに、と思う瞬間がある」と話した。