週明け26日前場の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比235.20ポイント(1.00%)安の23366.06ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が109.17ポイント(1.27%)安の8474.69ポイントと反落した。売買代金は1277億700万香港ドルとなっている(23日前場は1093億9940万香港ドル)。
米関税政策の不透明感が重しとなる流れ。トランプ米大統領は23日、「6月1日から欧州連合(EU)からの輸入品に50%の関税を課すことを勧告する」と自身のSNSに投稿した。一方、外電は日本時間26日朝方、「トランプ氏は欧州委員会のフォンデアライエン委員長と電話会談し、50%関税の発動期限を7月9日まで延長することを決定した」などと報じている。関税賦課の発動期限が延長されたとはいえ、貿易問題の不透明感は続いたままだ。また、貿易問題を巡る米中協議に関しても、両国が対話を継続していくことで合意したものの、協議は難航するとの警戒感もくすぶっている。
ただ、下値は限定的。中国経済の持ち直し期待や、相場の先高観がプラス材料だ。モルガン・スタンレーは先ごろ、中国株マーケットの主要株価指数について目標株価を引き上げたほか、JPモルガンの中国共同代表は外国人投資家も中国への関心を高めていると述べている。また、スタンダードチャータード銀行の担当者は、一部の富裕層投資家は中国株を「買い時」と評価していると語った。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、自動車の下げが目立つ。比亜迪(BYD:1211/HK)が7.7%安、吉利汽車HD(175/HK)が7.3%安、理想汽車(2015/HK)が4.8%安で引けた。
スマートフォン部材の銘柄群も安い。丘タイ科技(1478/HK)が3.0%、舜宇光学科技(2382/HK)が2.3%、瑞声科技HD(2018/HK)が2.0%、高偉電子(1415/HK)が1.4%ずつ下落した。
医薬セクターの一角も急落。永泰生物製薬(6978/HK)が5.8%安、三生製薬(3エスバイオ:1530/HK)が5.6%安、江蘇恒瑞医薬(1276/HK)が3.9%安、緑葉製薬集団(2186/HK)が3.2%安で引けた。
半面、発電や設備の電力セクターは高い。華能国際電力(902/HK)が3.1%、華電国際電力(1071/HK)と華潤電力HD(836/HK)がそろって2.1%、上海電気集団(2727/HK)が6.3%、ハルビン電気(1133/HK)が5.7%ずつ上昇した。
空運セクターも物色される。中国国際航空(753/HK)が5.8%高、中国南方航空(1055/HK)が4.6%高、中国東方航空(670/HK)が2.2%高で前場取引を終えた。業績改善の期待が高まっている。中国民用航空局は先ごろ、4月の航空旅客数が前年同月比で8.9%増加し、2カ月連続のプラス成長だったと発表したことが改めて材料視されている。
本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.30%安の3338.42ポイントで前場取引を終了した。医薬が安い。消費、自動車、銀行・証券、不動産、資源・素材なども売られた。半面、ハイテクは高い。空運、軍需産業も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)