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埼玉県蕨市の蕨郵便局で2023年10月に起きた人質立てこもり事件で、殺人未遂などの罪に問われた住所不定、無職、鈴木常雄被告(88)の裁判員裁判の初公判が26日、さいたま地裁(佐伯恒治裁判長)であった。鈴木被告は、殺意について「そんな気持ちは一切なかった」と述べ、起訴内容を一部否認した。
起訴状などによると、被告は23年10月31日、蕨郵便局で女性職員2人を人質に立てこもり、屋内外に向けて拳銃を1発ずつ発砲し、駆け付けた警察官を殺害しようとしたとされる。一時監禁された職員2人は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したという。被告は立てこもり事件の約1時間前、戸田市の戸田中央総合病院に向けて拳銃1発を発砲し、飛び散った窓ガラスや弾丸の破片で医師ら2人を負傷させた罪でも起訴された。
冒頭陳述で検察側は、被告が過去に郵便局のバイクと接触事故を起こし、病院の受付対応を巡るトラブルなどがあったことを説明。「それぞれに報復しようと考え、事件を起こした」と指摘した。
弁護側は「被告は人を殺したいとは全く思っていなかった」と殺意を否認。相手を驚かせたり、威嚇したりするための発砲だったと主張した。【加藤佑輔】
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