戸籍のフリガナの確認/変更は「マイナンバーカード」と「スマホ」が便利! スマホ用電子証明書だけでは手続き不可(原本必須)

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2025年05月27日 07:11  ITmedia Mobile

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戸籍を所管する法務省が開設した特設サイト

 5月26日、戸籍法の改正が施行されて戸籍上の氏名にフリガナが併記されるようになりました。


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 同日からは順次、原則として戸籍の筆頭者宛にフリガナの通知書が届きますが、手元に個人番号カード(マイナンバーカード)とスマートフォンが、あれば今すぐにフリガナの確認と訂正を行えます。


●そもそも、なぜ戸籍に「フリガナ」を振るのか?


 日本では家族の系譜や続柄、結婚/離婚/縁組の履歴などを管理するために「戸籍」を利用しています。従来、戸籍では「氏」と「名」のフリガナ(読み方)は公証されておらず、特に異字体を使う氏名を持つ人が社会生活で不便を被る場面がよく見受けられました。


 例えば「さいとう」という氏の場合、特に「さい」の部分に異字体が非常に多く、一般的なコンピュータでは一部の異字体を扱えないことがあります。その場合、別の字体を代替として登録することになりますが、今度はシステムによって扱える異字体が異なるケースもあります。


 そうなると、行政/民間のサービスごとに登録されている「さいとう」の字体が異なる可能性があり、結果として本人の同定(同じ人物であるかどうかの確認)に困難を来すこともあります。フリガナがあればそれを元にした“名寄せ”が可能ですが、それがないと「同一人物であることの証明」が難しい――そんなこともあるのです。


 そこで政府は、「戸籍上の氏名」と「他所で使われている氏名」の字体が異なる場合でも本人の同定をしやすくする目的で、戸籍上の氏名にフリガナを振る方針を掲げました。


 その結果、国会で2023年6月2日に戸籍法の一部改正を含む「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律」が成立し、同月9日に交付されました。


 これにより、2025年5月26日から戸籍にフリガナを振る法的根拠ができました。


●5月26日時点では“仮の”フリガナが振られる→だから要確認!


 戸籍と似たものとして「住民票」というものがありますが、その名の通りこちらは市町村や特別区(以下「市区町村」)に“在住している”ことを証明するもので、戸籍とは異なります。ゆえに戸籍上の住所(本籍地)と住民票の住所が異なるケースも珍しくありません。


 今回の戸籍法の一部改正を受けて、5月26日から順次、本籍地の市区町村が“仮の”フリガナを付与し、原則として戸籍の“筆頭者”に対して通知します。この通知は住民票を登録をしている市区町村から住所を取得し行うことになっており、戸籍の筆頭者と別居している(≒別の住所で住民登録を行っている)人がいる場合は別居している人にも個別に通知が届きます。ただし、フリガナの通知を行うタイミングは本籍地の市区町村によって異なるため、実際の通知が7月以降になるケースもあります。


 この通知で届くフリガナはあくまで“仮”なので、届いたら必ず正しいかどうか確認してください。訂正が必要な場合は、所定の方法で行う必要があります。訂正不要の場合は特に届け出る必要はありません(※1)。


(※1)この場合、2026年5月26日付で本籍地の市区町村長が職権で仮のフリガナを正式なフリガナとして登録する


 通知が届く前にフリガナの確認を行いたい場合は、マイナンバーカードを用意した上で同カードの読み取りに対応するスマホ、またはカードリーダーを備えるPCを用意して「マイナポータル」にアクセスしてください(方法は後述します)。


●通知が届く前にフリガナを確認/変更する方法


 戸籍の氏名に振られた仮のフリガナを早めに確認/修正したい場合、あるいはフリガナ付きの戸籍抄本/戸籍謄本の写しを早く手に入れたい場合は、マイナポータルを通して手続きを行えます。マイナンバーカードに加えて、以下のものを手元に用意してください。


・スマホを使う場合


・マイナンバーカードの読み出しに対応するスマホ(対応機種一覧)


PCを使う場合


・Windows 10/11を搭載するWindows PCまたはmacOS 13.0(Ventura)以降を搭載するMac


・Windows PC/Macに対応するカードリーダー(対応機種一覧)またはマイナンバーカードの読み出しに対応するスマホ


 なお、戸籍に振られた仮フリガナの確認/修正を行う場合は「スマホ用電子証明書」を利用できません。これは「手続き時に(スマホ用電子証明書にはない)『券面事項入力補助アプリ(AP)』を利用するため」(デジタル庁)です。


確認する方法


 戸籍に振られた仮フリガナの確認を行う方法は以下の通りです(スマホ単体で実施:以下同)。


1. マイナポータルにマイナンバーカードを使ってログイン


2. 「さがす」をタップ


3. 「証明書」をタップ


4. 「戸籍の情報確認・手続きを確認する」をタップ


5. 「戸籍のフリガナ申請」をタップ


6. 「フリガナの確認・届出をはじめる」をタップ


7. 「マイナンバーカードを読み取る」をタップ


8. 券面事項入力補助AP用のパスワード(数字4桁)を入力して「次へ」をタップ


9. 指示に従ってマイナンバーカードを読み取る


10. 表示されている住民票の住所が正しいことを確認して「次へ」をタップ


11. 表示されている本籍地の住所と戸籍の筆頭者の氏名が正しいことを確認して「次へ」をタップ


12. 戸籍に記載されている構成員の「氏」と「名」が正しいことを確認する


 表示されている仮フリガナが正しい場合はこれで完了なので「フリガナの確認を終了」をタップし、その後「確認を終了する」をタップしてください。


修正(急ぎ確定)する方法


 仮フリガナに修正箇所がある場合、あるいはフリガナ付きの戸籍抄本/戸籍謄本を急ぎ手に入れたい場合は、構成員の「氏」「名」の確認画面から以下の通り進めてください。


1. 修正/登録したい要素にチェックを入れて「選択したフリガナの届出をはじめる」をタップ


3. 「氏」の訂正/登録は原則として戸籍の筆頭者のみ可能(※2)


4. 「名」の訂正/登録は原則として本人のみ可能(※3)


5. 手続き済みの場合は「届出済」と表示されて選択不可


8. 修正したい箇所のフリガナを入力して「次へ」をタップ


10. 利用できる文字は「カタカナ」と「長音記号(ー)」のみ


11. 文字から想起できないフリガナは受理されない可能性がある


14. 修正対象者との続柄を選んで「次へ」をタップ


16. 法定代理人として修正を行う場合のみ表示される


19. 住所を入力して「次へ」をタップ


21. 手続き者以外において住所の登録/修正が不要(不可)な場合はスキップされる


24. 連絡先(電話番号とメールアドレス)を入力して「次へ」をタップ


26. メールアドレスがマイナポータルに登録されている場合は自動入力される


29. 確認コードを入力する


31. マイナポータルにメールアドレスが未登録(またはアドレス変更)の場合のみ実施  


34. 届出(修正)内容を確認して「次へ」をタップ


35. 「届出受理後の注意」をよく読んで「届出受理後の注意を確認した」をタップ


36. 「確認事項への同意」を良く読んだら「確認事項への同意」にチェックを入れて「次へ」をタップ


37. 「電子署名して届出」が表示されたら「マイナポータルアプリで読み取る」をタップ


38. 「電子署名用パスワード」(英数字8〜16文字)を入力して「次へ」をタップ


39. 指示に従ってマイナンバーカードを読み取る


(※2)戸籍の筆頭者が除籍されている場合はその配偶者、配偶者も除籍されている場合は筆頭者は配偶者の子/養子が変更できる(※3)15歳未満の子/養子については、父母/養父母が「法定代理人」として代理変更可能(他の理由で法定代理人が付く場合も代理変更可能)


 これで届出は完了です。


 フリガナの情報は本籍地の市区町村に送られ、審査されます。届出の結果はマイナポータルに通知として届きます(日数を要する場合もあります)。


他の行政/民間手続きにおけるフリガナ変更も別途必要な可能性


 手続き中にも言及がありますが、戸籍にフリガナが振られることに伴い、他の行政/民間手続きでも戸籍と同じフリガナに合わせる必要があります。既に同じなら問題ありませんが、齟齬(そご)があると今後問題が生じるかもしれないので、必要に応じて確認/修正しておきましょう。


届出完了後のフリガナ修正は家庭裁判所への申し立てが必要


 本籍地の市区町村において届出が完了した後でフリガナを修正する場合は「改姓手続き」または「改名手続き」となります。そのため、住民登録している市区町村を所管する家庭裁判所に変更を申し立てて、許可を得る必要があります。


 なお、フリガナの修正/登録を届け出ず、2026年5月26日付で仮フリガナが正式なフリガナとなった人については、同日以降も1回に限り家庭裁判所を介さずにフリガナの修正を申し立てできます。この場合、住民登録のある市区町村または本籍地の市区町村のどちらかに手続きの可否を問い合わせてください。



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