東京地裁=東京都千代田区(AFP時事) 東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、贈賄罪に問われたKADOKAWA元会長の角川歴彦被告(81)の公判が27日、東京地裁(中尾佳久裁判長)であった。検察側の被告人質問が行われ、角川被告は、大会組織委員会元理事の高橋治之被告(81)=受託収賄罪で公判中=を理事と認識していたなどとする捜査段階の供述内容について「記憶にない」と否定した。
公判で角川被告は「組織委の理事ではなく一員だと思っていた」と述べた。これに対し検察側は、角川被告が逮捕前に報道陣の取材に対しても、「(高橋被告は)組織委そのもの」「理事」と発言していたと指摘。捜査段階の供述との食い違いを問われると、角川被告は「分からない」「そういう話をしたなら間違っている」と釈明した。
起訴状によると、角川被告は同社元専務(67)=有罪確定=らと共謀し、スポンサー選定で便宜を受けたことの謝礼などとして、高橋被告側に計約6900万円を支払ったとされる。角川被告は無罪を主張している。