朝、なんとなく体が重い。
目は開いても頭がぼんやりしたまま。
朝ごはんを作る気がしないし、食べる気も起きない。
雨の日が続くと、そんな状態が当たり前になっていきます。
それは怠けているわけではありません。
この季節特有の体調のゆらぎ、“湿気疲れ”のサインかもしれません。
湿度が高くなると、体の中に水分がたまりやすくなります。
その結果、胃腸が弱り、頭がぼんやりし、むくみやすくなり、疲れが抜けにくくなる。
東洋医学ではこれを「湿邪(しつじゃ)」と呼び、梅雨の時期の不調の原因とされてきました。
この“ぐずぐず体調”は、病気ではないけれど、
そのままにしておくと生活のリズムが崩れてしまいます。
けれど、薬や栄養ドリンクに頼らなくても、
日々の食事を少し見直すことで整えることができます。
生姜やみょうが、大葉やねぎ。
冷たいそうめんやうどんに少し添えるだけで、
香りが鼻を抜け、気分が変わります。
これらの香味野菜は、胃腸の働きを助け、食欲を戻す力があります。
はと麦、小豆、ひじき、昆布など。
これらには、体の中の余分な水分を排出する力があります。
ごはんに混ぜたり、味噌汁の具にしたり。
ひとつ加えるだけで、むくみ対策になります。
梅干し、酢、柑橘系の果物。
酸味は胃を動かし、代謝を助けてくれます。
梅干しのおにぎりをひとつ。
酢を少し使った副菜を一皿。
それだけで朝のだるさが少し軽くなります。
きゅうり、トマト、冬瓜など、水分の多い夏野菜は、
そのままだと体を冷やしすぎてしまいます。
炒める、煮る、スープにするなど、火を入れるだけで、
体が冷えにくくなり、内臓の働きも安定します。
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疲れているとき、脂の多い肉は重たく感じます。
そんなときは、鶏むね肉や白身魚を蒸す、煮る、焼く。
やさしく調理することで、栄養はきちんと取りながら、胃に負担をかけません。
なんとなく調子が出ない日こそ、食卓に立ち戻ることが大切です。
朝ごはんを食べる。
香りを感じる。
よく噛む。
そうした“当たり前”の積み重ねが、体と気分を調整してくれます。
完璧な献立でなくていいのです。
今日できることを、ひとつでも整えること。
たとえば、夕飯に生姜をひとかけ入れてみる。
冷たいきゅうりを、味噌汁に入れて火を通してみる。
それだけで、体は「ありがとう」と反応してくれます。
湿度は避けられません。
でも、湿気に負けない体づくりは、今日からでも始められます。
大切なのは、「不調は仕方ない」と流さないこと。
その違和感に目を向けて、小さく整えていくこと。
今夜の食卓に、香りのある一皿を。
それが、雨と湿気の季節を軽やかに過ごすための第一歩になるかもしれません。
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