心霊物は昔も今も多くの作品が発表されてきた。Xに投稿された『本格心霊整体ビビアンガールズ』は、心霊と整体を掛け合わせた斬新な切り口が特徴的で、心霊漫画の新しい世界を見せてくれる。
身体の不調を訴える人を独自の施術方法でケアするクリニック「本格心霊整体ビビアンガールズ」をオープンさせた店長・麓原周と副店長・菅野谷雫。早速、女性が施術を依頼するが、初めての接客ということで2人は悪戦苦闘する――。
自身も整体師として働きながら漫画制作を行っている作者のハルキさん(@haluxii_)に、本作を描くうえで意識したポイントなど話を聞いた。(望月悠木)
◼︎目に見えないものが身近にいる感覚
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――心霊と整体を掛け合わせた斬新な作品でしたね。
ハルキ:そうですね。本作は「なんだかよくわからないシーン」「説明しないシーン」を実験的に入れてみました。全部型通りだと読みやすいけど、窮屈な漫画になると最近思っていたので…。
――そもそも、心霊と整体を掛け合わせた理由は?
ハルキ:私はエステやリラクゼーション系の仕事をしていたのですが、心身を壊してから整体を学んで転職し、現在は整体師として働いています。
――だから整体なのですね。
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ハルキ:はい。人の身体に触れる仕事に就いてから、“目に見えないもの”がとても身近にいる存在と感じるようになり、これまでは“フィクション”で楽しんでいたことを、実際に体験するようになりました。また、接客中の会話などはそのまま描くと個人が特定される恐れがあるため、「エッセンスだけ抽出して描いてみよう」と思い、それらの要素を加えながら本作の骨組みを作っていきました。
――鏡や気功を使った施術方法は、どのように考えついたのですか?
ハルキ:自分の体験してきたことや、整体で習ったこと、お客さんとの会話の中で出てきたエピソードから考えていきました。
◼︎キャラクターの関係性がしっかり伝わるように
――周や菅野谷のやり取りがとても微笑ましく、小気味よさも感じました。
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ハルキ:特に強いテーマがあるわけではありません。「ただただ出来事だけを描いていくと弱いな」と思い、関係性がしっかり伝わりつつ、楽しんでもらえるような2人のやり取りを増やしました。
――ギャグとシリアスが入り混じった展開でしたが、これらはどう調整したのですか?
ハルキ:どうでしょう。そう聞かれるとよくわからないため、勘で回してるのかもしれません。ただ、マッハ先生の登場シーンを描いている時だけ、不安感が強かったのを覚えています。
――続編がありそうな内容でしたが、続編の制作予定は?
ハルキ:「2話目はガールズバーパートから始まったら楽しいな」と思って1話目を描きました。ただ、今は他の漫画のネームを作成しているので、続編の予定は決まっていません。ビビアンのネタはたくさんあるので書き留めています。いつか描きたいです。
――最後に、今後の目標などを教えてください。
ハルキ:仕事をしながら、地道に漫画を発表していけたらと思っています。
©ハルキ
(文・取材=望月悠木)
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