
インスリン感受性と体外受精結果
5月29日、スペインの研究チームは、「Human Reproduction」にて、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を伴わないインスリン抵抗性が高い不妊女性は、胚移植実施前のメトホルミン治療によって体外受精結果は改善できると示した。
PCOSを伴わない女性不妊において、インスリン抵抗性が高い女性は、インスリン感受性がある女性と比べて体外受精の成功率は低くなる。しかしながら、胚移植実施前のメトホルミン治療により、体外受精結果は改善するという。
PCOSを伴わない不妊とインスリン感受性における関連性
インスリン感受性は、体外受精を受ける不妊女性における自然流産の危険因子と報告されている。
そこで今回、研究チームは、2015年1月から2023年11月の期間、PCOSを伴わない不妊女性1033人(18〜45歳、BMI30以下)を対象に後ろ向きコホート研究を行い、PCOSを伴わない不妊とインスリン感受性における関連性について検証した。
インスリン抵抗性がある女性315人のうち117人に対して胚移植1サイクル目の実施前にメトホルミン治療を行ったところ、治療群(治療あり)は、対照群(治療なし)より臨床妊娠率は上がり、臨床流産率は下がった。
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また、メトホルミン治療を行わない場合、インスリン抵抗性群は、インスリン感受性群に比べて臨床流産率は高く、出生率は低くなった。
これより、PCOSを伴わない女性不妊では、インスリン感受性と体外受精結果に関連性があり、胚移植実施前のメトホルミン治療によって体外受精結果は改善することが認められた。
(画像はHuman Reproductionより)
Human Reproduction
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